米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は3日、2度の墜落事故を起こした新型機「737MAX」の開発段階で、米ボーイングが自社のテストパイロットの意見を求めなかったと報じた。航空機開発では一般的にパイロットの意見が重視されるが、ボーイングは事故原因とされる機体の失速を防止する制御システムの詳細を伝えていなかったという。

同紙によると、テストパイロットは737MAXに初めて採用された「MCAS」と呼ぶ機体制御システムについて、機首を下げる自動制御が作動する条件などを説明されていなかった。2度の墜落事故は機体の傾きを測るセンサーの不具合が要因とみられているが、テストパイロットは2つのセンサーの数値が一致しなくてもシステムが作動することを知らなかったという。

ボーイングの広報担当者は「航空機の開発においてパイロットの経験に基づく意見は最も重要だ。過去のモデルと比べてパイロットの役割が制限されたわけではない」とコメントした。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44423850U9A500C1000000/