小学校で学ぶ英語は中学校で役に立たない――。ベネッセホールディングス傘下のベネッセ教育総合研究所が13日発表した中学1年生対象の意識調査で、約半数がこう答えた。小学校の外国語学習が会話を通じて英語に慣れ親しむことを重視する一方、中学英語は依然として単語や文法の暗記が中心。小中間で英語学習の接続に課題があることが明らかになった。

 ベネッセ教育総合研究所は2016年3〜4月に、全国の中学1年生(当時)1170人を対象に調査を実施した。

 このうち583人は小学6年生時点の15年3月にも調査を実施しており、継続調査の対象となった。小学6年時に「小学校英語は中学校で役立つ」と回答した子供は82.6%にのぼったが、中1時点で53.9%まで減った。

 小中間で学習内容や授業の形式が大きく変わることが背景にありそうだ。英語を学習する動機づけとして「テストでいい点を取りたい」からとする生徒は小6から中1で増加した。一方、「日本の文化を外国の人に紹介したい」などと感じる生徒は小学6年時に比べて減った。

 小学校の英語が中学で「役に立つ」と回答した生徒は、中学で英語を話す機会が多いことも分かった。

 同研究所の福本優美子研究員は「コミュニケーションを楽しむ生徒は中学に入っても英語学習の意欲が高い」としたうえで「こうした学習の好循環を生むことが重要だ」と指摘した。

 中学校に上がっても生徒に英語への関心を失わせないためには、授業で会話や作文を重視するなどといった取り組みが重要になりそうだ。(寺井浩介)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ13HD3_T10C17A6000000/