冬になると気温が低くなって体調を崩しやすくなるうえに、
空気が乾燥することでウイルスの活動が活発になってインフルエンザが流行するようになります。
病気にかからないためには「手を良く洗う」「マスクを着用する」などさまざまな対処法がとられていますが、
その中にはきちんと効果が期待できるもの、そして逆に実は全く効果がないものなどが混在しています。
実際にはどのようにしてインフルエンザなどの病気は伝染するのか、
そして病気にかからないためにはどうすれば良いのか、
スミソニアン研究所が運営するSmithonian.comでは6つのポイントについてまとめた記事を掲載しています。

Trying Not to Get Sick? Science Says You're Probably Doing It Wrong | Science | Smithsonian
https://www.smithsonianmag.com/science-nature/theres-more-to-fighting-flu-covering-your-mouth-180961404/

◆1.会話やくしゃみはもちろん、息をするだけでもインフルエンザは伝染する

「くしゃみで風邪がうつる」というのは広く知られていることですが、実際には相手と話をしたり、
さらには普通に息をするだけでもインフルエンザウイルスは飛散して他人に伝染してしまうことがあります。
呼吸することで人間の体からはごく微細な飛散物が排出されているのですが、2013年に発表された論文によると、
この飛散物には、くしゃみによって生じた飛散物の8.8倍ものウイルスが含まれていることも明らかになっています。

また、会話をするだけでも飛散物は作り出されるほか、テンションが上がって口論になると、
飛散物の量は50倍にも増えて病原体をまき散らすことにつながるとのこと。
冬場は激しい口論は避けておくのが病気を避けるうえでは大切なのかもしれません。

◆2.マスクはあまり効果がない

これは日本でも広く知られるようになってきたことですが、
マスクは病気にかからないようにするために着けるのではなく、病原体を持っている人が飛散を防ぐために使う、
というのが本来の目的です。インフルエンザウイルスの大きさは1mmの1000分の1の、さらに1000分の1程度しかないため、
マスクの編み目をいとも簡単に通過してしまいます。マスクが果たす役割とは、前述のような飛散物をせき止めることで、
ウイルスが拡散されることを防ぐところにあるのです。もし病原体を持つ人が近くにいたとして、マスクなどの措置をとっていないとすると
、いくら自分がマスクを着けていたとしても防御効果はほとんど期待できないとのことです。
しかし一方で、マスクをつけることによる保湿効果で、粘膜からのウイルスの侵入を防止することにはつながります。

◆3.手を握る程度ではウイルスはうつらない

風邪を予防するための方法として、手を洗って病原体を洗い落としてしまうことは一定の効果があると考えられています。
しかし、インフルエンザウイルスに関しては効果はありません。
カリフォルニア大学バークレー校のジョン・シュワルツバーグ教授によると、
インフルエンザウイルスは鼻や口の粘膜に直接触れることで取り込まれるため、
そこに手の関与の有無はほとんど関係ないとのこと。

◆4.病気の人が触れたモノが危険

前項ではウイルスについて述べられていましたが、
一方で風邪の元となる病原体は手の接触やモノを介した伝染があり得るとのこと。
病原体を持つ人が何かを触れると、その物体にウイルスが最大で72時間にわたって存在し続けるという(PDF)研究結果が発表されています。
また、カゼやインフルエンザの病原体は、革などの柔らかい素材よりも、
金属のような固い物体の表面により長くとどまることもわかっています。

GIGAZINE
http://gigazine.net/news/20171225-how-not-to-get-sick/

続く)