米電気自動車(EV)メーカー、テスラの「モデル3」の生産「地獄」が続いている。

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はツイッターでのやり取りで、モデル3の生産の遅れに対応できるように、「工場に泊まり込む」日々に戻っていることを明らかにした。この行動はテスラの「モデルX」発売当時の状況を思い起こさせる。マスク氏が当時、すぐに問題に対応できるように生産ラインの近くに寝袋を用意していたというのは有名なエピソードだ。

「自動車ビジネスは地獄だ」とマスク氏はツイートした。

投資家は現在、テスラの1−3月(第1四半期)の生産台数の発表を待っているが、これは会社予想を下回ると見込まれている。ツイッターでのやり取りは、テクノロジー・ビジネスニュースサイト「ジ・インフォメーション」の記者を相手に行われ、マスク氏がエンジニアリング責任者ダグ・フィールド氏からモデル3の生産を引き継いだという同サイトの記事を受けたものだ。

フィールド氏はここ1年にわたり、モデル3およびその生産のエンジニアリングを管理していた。マスク氏によると、フィールド氏がもともと両方の業務を担当していたのは、テスラが「生産が極めて難しい」車を設計しないようにするためだった。しかし、現在はテスラが再び生産の真っただ中にあるため、「分割統治する方が良い」という。

テスラは、顧客の需要に対応できるほどの速さでモデル3を生産し、同モデル展開の準備に使った何十億ドルもの資金を相殺するために売り上げを稼ぐという大きなプレッシャーを受けている。ブルームバーグが開発した実験的追跡モデルの推定によれば、テスラは1−3月期に9285台を生産することができたほか、週間生産台数2200台を達成したと見込まれている。マスク氏は同期末までに同2500台を目指していた。この目標は2017年末までに同5000台という従来予想からすでに引き下げられている。

テスラが1−3月の生産目標を達成できたとしても、同社がそれを維持し、そこからさらに伸ばしていけるかどうかは不明だ。マスク氏の最新のツイッター投稿によると、同社はまだ生産地獄から脱していない。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-04-03/P6LGAH6JTSEC01