では慣性トルクのグラフをもう少し細かく見てみましょう
https://i.imgur.com/aBCx14g.png

慣性トルクの式はピストンの加速度aと速度vを掛けた形をしていますから、慣性トルクが0となるのは速度が0となる
上死点(θ=0°)と下死点(θ=180°)の2箇所と>>36で述べた加速度が0となる2箇所(連桿比λ=4の場合θ=76.7°
とθ=283.3°)の合計4箇所です

ここで4つの区間に区切ってそれぞれの区間でコンロッドに働いている力が引っ張りの力なのか圧縮の力なのかを
考えると、

区間1: 0°<θ<76.7°慣性トルク:マイナス
https://i.imgur.com/ohJFpAd.png

自らの慣性で反時計回りに回り続けたいクランクシャフトにコンロッドを通してピストンという邪魔者がくっついて
いるわけで、この区間ではピストンが下方に加速しているのでコンロッドには引っ張りの力が働きクランクピンには
クランクの回転方向に反する力が働くため慣性トルクはマイナスとなります

区間2: 76.7°<θ<180°慣性トルク:プラス
https://i.imgur.com/8wefi4A.png

ピストンの速度が最大値となる角度を越えて今度は下死点に向かって減速していきますから、コンロッドに働く力
は圧縮力でクランクの回転を助ける方向の力がクランクピンにかかります

区間3: 180°<θ<283.3°慣性トルク:マイナス
https://i.imgur.com/DqbelDn.png

今度はピストンは下死点から上方に向かって加速しますから、コンロッドに働く力は圧縮力でクランクピンにはまた
クランクの回転を邪魔する力が働くことになります

区間4: 283.3°<θ<360=糾オ性トルク:ャvラス
https://i.imgur.com/y18H6VS.png

またピストンの最大速度の角度を越えると上死点に向けて減速状態となり、コンロッドには張力が働きクランクの回転を
助ける力がクランクピンになります
ピストンが自分の慣性でクランクピンを引っ張り上げる感じですね

なんとなく無駄にアニメーションGIFも作ってみました
https://i.imgur.com/VxdneXT.gif