【9月26日 AFP】
世界一大きな鳥をめぐって1世紀以上続いていた論争にようやく決着がついたようだ。科学者らが26日、研究論文を発表し、謎が解けたことを明らかにした。

 巨大な飛べない鳥エピオルニス(象鳥)のエピオルニス・マクシムス(Aepyornis maximus)は、6000万年もの間、マダガスカルのサバンナや熱帯雨林に生息していた。約1000年前、狩猟により絶滅している。

 19世紀、欧州の動物学者らは象鳥に夢中になり、その骨格や卵の化石を強引に収集し、史上最大の鳥を特定することに躍起になった。

 だが、英国王立協会(Royal Society)の科学誌「ロイヤルソサエティー・オープンサイエンス(Royal Society Open Science)」に発表された英科学者らの研究論文によると、象鳥の1種はこれまでに考えられていたよりもさらに大型で、その標本は推定体重が860キロあり、成体のキリンに匹敵する大きさだったという。

 論文の主著者であるロンドン動物学会(Zoological Society of London、ZSL)のジェイムズ・ハンスフォード(James Hansford)氏はAFPの取材に「この種は人を見下ろすほど大きかった」と述べ、「自らの体重を支えられないため、絶対に飛ぶことはできなかった」と続けた。

 今回の研究でハンスフォード氏は、世界中で発見された象鳥の骨を調査し、その大きさを機械学習アルゴリズムにかけ、動物の想定されるサイズを調べた。

 これまで史上最大の象鳥とされていたのは、1894年に英科学者C・W・アンドリュース(C.W. Andrews)がエピオルニス・マクシムスより大きい種として記したエピオルニス・ティタン(Aepyornis titan)だった。

 だが当時、アンドリュースとライバル関係にあったあるフランス人の科学者は、発見されたエピオルニス・ティタンについて、エピオルニス・マクシムス種の特大サイズにすぎないとしてその主張を否定。この論争はその後、数十年にわたって決着がつかないままとなっていた。

 今回の研究では、エピオルニス・ティタンが、エピオルニス・マクシムスとは別の動物だったことが分かったとハンスフォード氏は述べている。それどころか、エピオルニス・ティタンの骨は他の象鳥の種と大きく異なっていることから、実は全く違う属の動物だったことが判明したという。

 マダガスカル原住民の言葉マラガシ語で「大きな鳥」を意味するボロンベ・ティタン(Vorombe titan)は、体長が平均3メートルを超し、体重も平均650キロと、これまでに発見された鳥の属としては最大だ。

 ニュージーランドの絶滅した鳥モアとの近縁種である象鳥は、現在のキウイやエミュー、ダチョウなどの走鳥類と同じ科に属している。(c)AFP/Patrick GALEY

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AFP
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