中国南西部、貴州省の約2億2800万年前(三畳紀)の地層から原始的なカメの化石が見つかり、新属新種に分類したと、中国の古脊椎動物古人類研究所やカナダ自然博物館などの研究チームが発表した。
胴体が円盤状に平たく、甲羅はないが、口が現代のカメと同様に歯がないくちばしだった。論文は23日付の英科学誌ネイチャーに掲載される。

 全身の長さは細長い尾を含めて1.8メートル超と推定され、水辺に生息し、泥を掘って餌を探していた可能性がある。
属名はくちばしがある最古のカメという意味の「エオリンコケリス」、種名は発見地の中国から「シネンシス」と名付けられた。

 カメの甲羅は肋骨(ろっこつ)などが変化してできたことが、成長過程の研究で明らかになっている。
しかし、原始的な化石の調査では、甲羅ができた目的をめぐり、水中で敵から胴体を守るためとの見方と、乾燥した陸上で穴を掘って暮らすためとの見方がある。
今回、甲羅はまだないが、くちばしがある化石が見つかったことで、進化過程の解明が進むという。(2018/08/23-02:14)


中国貴州省で発見された原始的なカメの化石
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発見された化石に基づく原始的なカメの想像図
https://www.jiji.com/news/kiji_photos/0180822at38_p.jpg

時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018082300059&;g=soc