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有用物質合成で成果

 岩手大農学部応用生物化学課程の山田美和准教授(35)は、長年にわたり微生物や酵素による有用物質研究に取り組んできた功績が評価され、
第1回「農芸化学若手女性研究者賞」に輝いた。
「お世話になった教授をはじめ、多くの人の協力が受賞につながった。
根性でやってきただけなので幸運に思う」と喜び、「今後は男女の枠を超えても賞を頂けるよう、一層研究に励み、功績を残したい」と意欲を見せる。

 同賞は、バイオサイエンス・バイオテクノロジーを中心とする多彩な領域の研究者らで構成する日本農芸化学会が今年創設。
農芸化学分野で優れた研究成果を挙げた35歳以下の女性が対象で、第1回の今回は山田准教授を含む3人が選ばれた。

 山田准教授は埼玉県出身。北海道大大学院を修了し、理化学研究所の研究員などを経て、2011年に岩手大助教に就任。15年に准教授となった。
大学院生時代は、教授の助手として微生物が体内に貯蔵するバイオプラスチックの合成について精力的に研究。
岩手大に勤務してからは微生物由来の有用酵素研究にも着手し、医薬品などの原料に使われるグリオキシル酸の合成を目指し、
学生らと共に酵素の精製などに取り組んでいる。「微生物を使うと、車の廃不凍液などの廃棄物でも原料にして酵素を合成できる。
成果が出るまでの道のりは長いが、さまざまな可能性がある」とやりがいを語る。

 学生から社会人になるまで農芸化学分野で研究を継続している女性は珍しいといい、1万人を超える研究者が所属する同会でも女性は10%ほど。
山田准教授は「学生の時だけ研究し、やめてしまうのはもったいない。面白い分野なので、興味を持って続ける女性が増えてほしい」と願っていた。
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