新型コロナウイルスの影響で国際線の利用者の回復がすぐには見込めない中、全日空は、羽田、成田、関西、中部の4つの空港と海外の空港を結んでいた国際線の大多数を休止し、羽田に集約する方針を固めました。すでに関係機関との調整や航空機の売却を始めていて、休止と集約の規模によっては地方の経済や雇用に大きな影響が及ぶことになります。

新型コロナウイルスの影響で収益が落ち込んでいる全日空は、今月、従業員の給与の削減を労働組合に伝えるなど、コスト削減策を進めていて、新たにこれまで力を入れてきた国際線の大多数を休止し、便数を減らして羽田に集約する方針を固めました。

関係者によりますと、羽田、成田、関西、中部の4つの空港と海外を結ぶ便のうち、成田発着分を8割減に、中部と関西を大幅に減らしてほとんどを羽田空港に集約する案が出ているということです。

これにより成田空港などの拠点を段階的に縮小し、経費を圧縮したい考えです。
またボーイング777型機などグループ全体で300機ある機体の10%程度にあたる、およそ30機を売却するということです。

国際線は、来月は当初75路線・およそ5400便の運航を予定していましたが、新型コロナウイルスの影響で28路線・およそ800便まで減便することを決めていて、今後は、これらのほとんどが羽田に集約される可能性があります。

休止と集約の規模によっては地方の経済や雇用に大きな影響が及ぶことになります。

全日空は、需要が回復すれば羽田空港を発着する便から優先的に戻したいとしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201021/k10012674531000.html