国有林で最長50年間の伐採権を民間業者に与える改正国有林野管理経営法が、4月に施行される。安倍政権は林業の活性化を掲げるが、国有林の大規模開放による荒廃の懸念も消えていない。毎日新聞は、林野庁などが2018年末に法改正の詳細を検討した会合の記録文書を、情報公開請求で入手。辞任した元官房長官補佐官が議論に参加するなどの不可解な構図や、政権内の綱引きが浮かんだ。【杉本修作、寺田剛】

 入手した文書は、林野庁が作成した18年11月26日と12月11日の「福田元補佐官打ち合わせ概要」と12月13日の福田隆之氏からの「電話連絡」。打ち合わせは内閣官房の会議室で行われ、菅義偉官房長官の補佐官だった福田氏と林野庁職員のやりとりが記されていた。

 「竹中(平蔵)会長からの宿題の回答をいただきたい」。福田氏は、11月26日の打ち合わせで林野庁側に促した。企業の動きをそがず、「裁量性とインセンティブが出るようバランスの取れた制度」など3点を、竹中氏が林野庁に求めていたからだ。
https://mainichi.jp/articles/20200325/k00/00m/040/381000c