NECは2020年3月11日、高いITスキルを持つ新卒学生向けの新たな採用制度を導入すると発表した。学歴別初任給ではなく、役割に応じた報酬で処遇するのが特徴だ。2021年4月に入社する大学院修了予定者、および大学と高等専門学校の卒業予定者が対象で、近く開催する学生向け会社説明会で制度の枠組みを説明する。

 データサイエンスやサイバーセキュリティーなど、特定分野で募集している専門スキル人材のキャリア(経験者)採用枠を新卒学生にも開放し、学歴や職歴を問わずに応募できるようにする。応募した新卒学生はキャリア採用の実務経験者と同じ基準で面接などの選考プロセスに臨む。

 採用された学生の初年度の報酬は携わる業務や役割で決まり、「データサイエンスの場合で年収800万円を超えるケースもある」(広報)。同社の大卒入社1年目の標準的な年収は約350万円という。専門スキルを持つ学生に初年度からより高い報酬と業務を与えることで、加熱するIT人材の獲得競争でNECの存在をアピールする考えだ。

 2021年4月入社の募集枠は、実務経験者と合わせて数人の見通し。高スキル人材の採用枠に応募して選考に漏れた学生は、通常の採用枠に再び応募できるという。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/news/18/07281/