(日経新聞の仕様変更により、画像の引用が出来ません。市が住宅建設を規制するエリア略図は元ソースでご覧ください)

神戸市は24日、中心部の大規模マンションの抑制を狙った土地利用規制の条例改正案を市議会に提出した。繁華街がある三宮地域は新たな住宅を原則禁止し、その外側の地域は住宅の容積率に上限を設け、タワーマンションができないようにする。2020年7月の施行を目指す。オフィスや店舗を核とした再開発を促し、就業人口を増やすのが狙いだ。

規制対象はJR神戸線や市営地下鉄の沿線を中心とした計314.6ヘクタール。新たな住宅が原則できなくなるのはJR三ノ宮駅周辺の22.6ヘクタール。百貨店などの商業施設が集まる地域だ。

その外側の292ヘクタールは敷地面積が1000平方メートル以上の用地を対象に、住宅部分の容積率を400%以下にする。タワマンなどの開発を抑えるのが狙いだ。従来は最大900%まで認めていた。

市内には高さ60メートル以上のマンションが約70棟あり、三宮地区など中央区に約3分の1が集まる。市はマンションがさらに増えると、小学校の教室が不足したり、オフィスや商業施設の連続性が失われたりすると判断した。

神戸市の人口は11年のピークから2万人余り減り、19年5月1日時点で約152万4700人。川崎市を下回り、政令市で全国6位から7位に順位を落とした。三宮など中心部に限ると、増加傾向という。受け皿となったのがマンションだが、市内からの転居も目立つのが現状だ。

一方、中心部の昼間人口は15年時点で約19万2000人で、1995年の阪神大震災の前とほぼ同じ。市は再開発を機にオフィスや店舗を増やす考えだ。「阪神間や神戸より西の都市からも、人が集まる街にすることが都市経営には必要」(久元喜造市長)という。

今回の条例とは別に、市はタワマンの認証制度を20年度にも導入する方向で検討中だ。タワマンの管理組合の機能を自治体が審査するという全国初の試みだ。

駅前での需要が高い高層マンションの規制は珍しい。横浜市でもJR横浜駅周辺で建設を規制するなどの例がある。都心居住と業務・商業機能のバランスをとるのが狙いだ。

2019/6/24 7:00
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46433910R20C19A6AM1000/