日本の電気機器メーカーである日本電産(Nidec)は、HDDなどに搭載されるスピンドルモーターにおいて世界1位のシェアを維持しています。そんな日本電産は、「2019年にPC用HDDの出荷量が前年比で50%近く減少する可能性がある」という見通しを発表しています。

HDD用のスピンドルモーターにおいて全世界で85%ものシェアを誇っている日本電産は、2019年3月期の決算説明プレゼンテーション資料中で、「HDD市場の中長期トレンド」と題したグラフを提示しました。

日本電産が発表したデータによると、2010年に6億5000万台だったHDDユニット販売台数は、2018年には3億7600万台にまで減少しており、下げ幅は実に43%。この減少傾向は今後も持続するとみられており、当初は2019年のHDD出荷台数を3億5600万台と見込んでいたところを、2019年3月期の決算説明時には3億900万台に下方修正しています。2020年にはさらに販売台数は減少し、2億9000万台にまで減少する予測だとのこと。

中でも大きく販売台数が減少しているのがPC用HDDであり、半導体メモリを使うSSDへの移行および市場の弱まりが大きな要因となっているそうです。PC用HDDの販売台数は2013年の2億8900万台から2018年には1億2400万台まで減少しているだけでなく、2019年の予測販売台数は6500万台と、2018年から2019年の下げ幅は実に48%にもなるとみられています。ほかの分野においてもHDDの販売台数は減少傾向にありますが、外付けHDDについてはほぼ横ばいとなっており、データセンター用途のHDDは上昇すると予測されています。

なお、日本電産はHDD用スピンドルモーターのシェアについては好調を維持し続けるとみており、2019年を通じて85%ほどのシェアを確保する見通しです。

2018年はSSDの容量単価が下落し続けてユーザーにとってありがたい1年となったほか、主要メーカー間での技術競争もさかんであり、記憶装置におけるSSDのシェア拡大を後押しする形となりました。HDD部品などを製造するメーカーは、2019年も引き続きSSDの台頭に押される形となると予測されています。
2019年05月08日 06時00分
https://gigazine.net/news/20190508-pc-hdd-shipments-predicted-drop/