東京急行電鉄は2019年1月22日、「郊外型MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)実証実験」の一環として試験運行する「ハイグレード通勤バス」の試乗会を開催した。朝の通勤時間帯に、横浜市のたまプラーザ駅前から東京・渋谷の渋谷マークシティまで、東急田園都市線に並行する区間の片道を運行する。

3列シート24人乗りの大型バスでゆったりと通勤できる利点を訴求し、満員電車に代わる新しい通勤手段としての可能性を探る狙いがある。電源コンセントと車内無線LAN(Wi-Fi)もあり、パソコン作業の時間としても使える。試験運行は1月24日から3月20日までの平日のみ。対象者は東急田園都市線たまプラーザ駅〜渋谷駅の通勤定期券保有者から募る。試験中は通勤定期券以外の追加料金はかからない。
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この日の通勤バスはたまプラーザ駅前を午前7時ごろに出発し、8時20分ごろに渋谷マークシティに到着した。メディア関係者と、たまプラーザから渋谷方面へ通勤する人が乗車した。同じ区間で電車を使えば30分ほどで着く。バスは朝の道路渋滞に巻き込まれるため、3倍近くの時間がかかる。

 それでも利用者の評判は上々だ。試乗した男性会社員は「たまプラーザの便利さと街の雰囲気が好きで住んで10年になる。普段はスマートフォンを見るのも難しいほど混み合った電車で通勤するが、今日はパソコンを広げてメールチェックしながら楽に移動できた。定期運転が始まったら使ってみたい」と話していた。
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