車の自動運転の実用化に向けて、運転席にドライバーが乗っていない複数の車を同時に遠隔監視で走らせる実験が、全国で初めて愛知県豊橋市で行われました。

豊橋市の総合動植物公園で行われた実験では、ハンドルのあるものと、特別に用意したハンドルのない車の2台が使われ、およそ1.5キロのコースを時間差で同じ方向に走らせました。

2台の車には、センサーやカメラが搭載され、あらかじめ入力した地図情報を照合しながら自動で走行し、ほかの車両や歩行者などはセンサーで感知して衝突を避ける仕組みです。一方、不測の事態には、遠隔で制御することになっています。

さまざまな状況に応じた車両の走行性などを確認するため、2台の車は、時速およそ7キロで走行し、障害物を感知すると自動で止まっていました。

愛知県によりますと、運転席にドライバーが乗っていない複数の車を遠隔監視で走らせる実験は全国で初めてだということです。

県産業振興課の那須規宏さんは、「今後、市民にも体験してもらい、開発した技術を確かめて実用化につなげていきたい」と話していました。

愛知県は、今後、通信速度が格段に速くなる次世代の通信規格「5G」を活用し、より走行速度を上げることが可能かどうかなどについて、公道を使って実験を行う方針です。
2018年11月17日 12時28分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181117/k10011714381000.html