ロケット開発スタートアップのインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)は30日早朝、観測ロケット「MOMO(モモ)」2号機を打ち上げ、直後にロケットは落下し炎上した。けが人はいなかった。世界各国でスタートアップによるロケット開発が加速している。同社のロケットは民間単独では国内初の宇宙への到達を目指し、成功するかが注目されていた。

 モモ2号機は全長10メートル、重さは約1トン。高度100キロメートルの宇宙空間到達を目標に、午前5時30分に大樹町の同社施設から宇宙に向けて打ち上げた。20メートルほど上昇したところでエンジンが燃焼を停止し、地上に墜落した。大きな火柱を上げて炎上した。

 2017年7月に打ち上げたモモ初号機は高さ約20キロメートルに到達したが、飛行中に機体が破損し、宇宙空間に届かなかった。2号機は機体の姿勢を保つ機構を改良した。18年4月に打ち上げ予定だったが、発射直前に設計ミスによる不具合が発覚し、先延ばししていた。

 記者会見した同社の稲川貴大社長は「明確な失敗。現時点で原因は特定できないが、メインエンジンに不具合があった可能性がある」と説明。「原因を究明して3号機などに生かしたい」と次の挑戦に意欲を示した。

 同社の創業に携わった実業家の堀江貴文氏は「ロケット分野の(研究開発から事業化に至るまでの)デスバレー(死の谷)を越えられた会社は米スペースXくらい。これを越えたい」と述べた。

 小型ロケットを巡っては米国や中国を中心にスタートアップが開発を進めている。米ロケットラボは1月、超小型衛星を載せたロケットの打ち上げに成功した。日本国内では、キヤノン電子などが17年に設立した新世代小型ロケット開発企画(東京・港)が打ち上げサービスの事業化を目指している。
2018/6/30 11:03
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32462500Q8A630C1MM0000/