代表的な外来生物で、水辺の生態系に深刻な影響を与えるアメリカザリガニ、略してアメザリ。原産地の米国南部では素揚げがビールのつまみの定番だし、中国でも近年、ミニロブスターとして人気が高い。

 だが、日本では約90年の生息歴がありながら、食の対象外に置かれてきた。

 ブラックバスの駆除など淡水の生態系保全に取り組む「シナイモツゴ郷(さと)の会」(宮城県大崎市・二宮景喜理事長)では、これまで土に埋めるなどして処分してきた捕獲アメザリを食材として利用する研究に力を入れている。

 アメザリ問題に社会の関心を集めつつ、駆除の輪を広げる新戦略の展開だ。

 おいしい「ザリせん」

 「試食してみますか」。東京都内で開かれた水辺の自然再生をテーマにしたシンポジウムの会場で、シナイモツゴ郷の会の坂本啓さんに声を掛けられた。

 展示台には、せんべいが並んでいる。ラベルは「ザリせん」。爪を広げたアメザリの絵に「食べて減らそう アメリカザリガニ! 食べて守ろう 豊かな自然!」のキャッチコピーが添えられている。

 せんべいには稚アメザリの姿があった。むき身も使われ、押し花のような風雅な趣のあるせんべいだ。

 ブラックペッパー味と、のりしお味の2種類。どちらもいける。すぐにでも商品化できそうな完成度だ。「旧品井沼周辺ため池群で駆除されたアメリカザリガニを使用」との説明文が付いている。

 大崎市鹿島台一帯には、かつて広大な品井沼が存在したが、江戸時代からの干拓で昭和に姿を消した。

 会の名前のシナイモツゴは、大正5(1916)年に品井沼で採集され、その個体が新種名の記載に使われたコイ科の小魚だ。

 その後、宮城県内では絶滅したとみられたが、平成5(93)年に、旧品井沼周辺のため池で再発見されている。

 郷の会が食材化の研究に使っているのは、そうした里山のため池で連続捕獲装置によってつかまえているアメザリたちだ。高効率の捕獲装置は、同会副理事長で水産学博士の高橋清孝さんらの手で開発された。シナイモツゴの再発見も高橋さんによる業績だ。

 シンポジウム会場には、「大判ザリせん」も並んでいた。こちらは化石を連想させる雰囲気だ。殻の歯応えがありすぎるようだが、客引き効果は抜群だ。

続きはソースにて
http://www.sankei.com/column/news/180328/clm1803280005-n4.html

(スレ立て依頼から)
2018.3.28 11:20
産経ニュース
http://www.sankei.com/column/news/180328/clm1803280005-n1.html