自動車メーカーのBMWが「2020年までの電気自動車の量産はない」という計画を明らかにしました。量産化のための条件が整っておらず、採算を採るのが難しいことが理由のようです。

BMWはすでに電気自動車(EV)として2013年に「i3」を市販化しており、EV開発のノウハウはリーフを販売する日産やVolt EVを販売するGMなどとともに、大手自動車メーカーの中では先発組に当たります。BMWは2017年の段階で、2025年までに25種類のEVやハイブリッドカーなど動力源に電気を使う自動車を市場に投入する予定で、そのうち12種類が完全な電気自動車になるとの計画を明らかにしていました。

そのBMWのハラルド・クルーガーCEOが「2020年までのEVの量産は行わない」方針であることを明らかにしました。その理由について、「現在の技術では利益を十分には上げられないので、量産のため規模を拡大するのに適さないから」だと述べています。

BMWによるとEVのi3、ハイブリッドカーのi8などの市販車両は、第4世代の電気駆動技術を採用しているとのこと。当然、BMWは第5世代の電気駆動技術の開発に取り組んでいるところですが、クルーガーCEOによると第5世代はコスト競争力を持たせることを重視して開発が進められてきたそうで、第4世代との比較で生産コストの優位性は「二桁の数字(数十%良い)」と述べています。

BMWは第5世代の先の第6世代の電気駆動技術の開発にも取り組んでおり、大量生産に向けてバッテリーセルの研究に大型の投資を行っているとのこと。クルーガーCEOは「競争に勝ちたいと望むならそのセグメント内で最もコスト競争力で優位に立たなければならない」と述べており、来たるべきEVの時代ではいかに製造コストを下げるのかが鍵になるとみている模様。今回のクルーガーCEOの発言は裏を返せば第5世代のEVは2020年までにコスト競争力を持つ量産体制が整う見通しがついたということでもありそうです。
2018年03月24日 20時00分00秒
https://gigazine.net/news/20180324-bmw-ev-mass-production/