IT大手の楽天が、大手3社で約9割のシェアを占める携帯電話市場に挑む決断を下しました。格安スマホ各社の登場が一石を投じたとはいえ、3社による寡占状態が料金の高止まりにつながっているとも指摘される国内市場。新たな参入は、携帯料金の引き下げにつながるのでしょうか?


Q:楽天が携帯電話に参入するというニュースですけど、いまでも格安スマホやってますよね。何が違うのかな?。

A:いま手がけているのは確かに楽天のブランドだけど、携帯電話の回線網はNTTドコモから借りる形で行っているの。

今回、楽天は近く国が新たに開放する電波を割り当ててもらった上で、基地局など自前のインフラを整備する方針を明らかにしたの。

つまり、これまでの借り物ではなく、大手3社と同じ土俵に立つ“4つめの携帯電話会社”になって、競争に挑むことを決めたというわけ。新たな参入は、10年前のイー・モバイル(その後ソフトバンク系のワイモバイルに)以来のことよ。
Q:でも、国内ではスマホやガラケーが1人1台以上普及して、すでに飽和状態とも言われている。今から参入するのは大変じゃないかな?。

A:確かに、大手と同じ料金やサービスでは利用者を獲得するのは難しいわよね。だから、楽天は14日の参入方針についての発表でも、「より低廉で利用しやすい料金」を目指すなどとして、大手に価格競争を挑む姿勢を示しているの。

それに、通販サイトなどのポイントなどグループで手がけるサービスと組み合わせて、利用者を囲い込むことも狙っているようね。楽天では1500万人以上、シェアにして10%以上を獲得することを目標としているわ。

すでに多くの顧客基盤を持つ楽天が参入することは、大手3社にもそれなりのインパクトを与えることになるのではないかしら。

Q:楽天が実際にサービスを始めるのはいつ頃になるのかな?。

A:まず国から電波の割り当てを受けられるかが最初のハードルになるけど、来年3月頃に割り当てが決まれば、再来年の2019年中にサービスを開始する計画よ。それまでに2000億円を投じて基地局などの整備を進め、2025年までに最大6000億円を投資するとしている。

いずれにしても、端末や料金で大手3社がほぼ横並びとなっている状況に風穴を開けられるかは、利用者にとってどれだけ魅力的な料金・サービスを示せるかにかかっているわ。楽天が「より低廉」とする料金が、一体どれくらいになるのか注目されるわね。
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