世界の有名ブランドが集まる高級ストリートのうち、最も賃料が高いのはニューヨークの五番街で、2位が香港のコーズウェイベイだった。米不動産サービスのクッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)の2017年版調査で明らかになった。東京・銀座は6位。賃料が上昇したとはいえ、なおトップの4割の水準だ。

C&Wが6月末までの1年間を対象に行った年次調査は、68カ国を対象に最も賃料が高いストリートをランク付けした。1位のニューヨーク(坪当り月額100.1万円)は変わらず、2位の香港(同90.9万円)は下落したものの、順位は昨年と変わっておらず、C&W日本法人の須賀勲エグゼクティブ・ディレクターは「不動の1、2位だ」と述べた。

東京・銀座の順位は前年の5位から下げたが、賃料は坪当り月額40万円で、前年比5.3%上昇した。今年は高級ブランドやレストランなども入居する複合施設GINZA SIX(ギンザシックス)が開業。訪日観光客数は1−10月で2379万人を数え、昨年1年間の2403万人に迫っている。
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C&Wの須賀氏は、銀座の賃料について過去10年間で最高だとし、「GINZA SIX開業の影響が大きい」と話した。ただ、賃料高騰でテナント側に懸念も出てきている上、これ以降は「大型プロジェクトがなく、中期的には賃料上昇の要因は見受けられない」とみている。

同氏は「Eコマース市場拡大による実在店舗への影響はある」としながらも、「世界の一等地に関しては影響は小さい」と述べた。産業構造の変化を背景にして、世界の目抜き通りには「今後も世界的なテック企業などの出店が予想される」とみている。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-11-21/OZPF4J6TTDS801