「EVへの大転換と加速化」――。現在の自動車メーカーは、この現実から免れることはできないだろう。

 英仏政府が2040年までにガソリン車・ディーゼル車の国内販売を禁じる方針を決めた。中国やインドは環境規制を盾に電動車優遇の国策を打ち出してきている。

 地球温暖化や大気汚染問題への環境対応は、独フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル車排ガス不正に端を発した欧州メーカーのディーゼル車疑惑が一気に欧州車各社のEV転換機運を加速化させた。

 日本でも日産自動車が9月6日に新型リーフを次世代EVとして発表する。トヨタも昨年12月に豊田章男社長肝いりでデンソーなどトヨタグループからの出向者を含めた「EV事業企画室」を立ち上げて急ピッチでEV開発を進めている。

 米国では、EVベンチャーのテスラが7月末から量販EVモデルのセダン「モデル3」を発売し話題を集めている。テスラは、GM、フォードなど米国を代表する自動車メーカーの時価総額を抜くなど、今や世界のEVメーカーのリーダー的存在を示す。2月からは社名から「モーターズ」を外しており、テスラを率いるイーロン・マスク氏の目指すところは自動車メーカーの域にとどまらず、太陽光発電のエンルギーインフラ事業に挑戦している。

EV化によって
10年後には自動車メーカーが消える!?

 一方で、世界で加速するこのEVシフトの動きに対して「10年後には自動車はEV化によって、自動車メーカーが消えることにもなる」と大胆な予測発言をする日本のEVベンチャーが現われた。

GLMの小間裕康社長である。GLMは知名度という点ではいま一つだが、京都大学発のEVベンチャーだ。最近、GLMは香港の投資会社「オーラックスHD」と資本提携して開発投資の資金を確保。新たに京都に本社ビルを構えたので、小間社長を京都に訪問取材したところ、「電機メーカーに見られた歩みが自動車メーカーにも押し寄せるだろう。いずれ、内燃機関からEV転換でアップルのような新しい発想のモノづくりに変わることになる」と強調した。

 つまり、クルマの心臓部分であるプラットフォームはモジュール化され、米アップルのように生産設備を持たず、自らは商品の企画・設計に特化し、製造を委託するビジネスモデルがEV転換によって自動車産業にも波及していくということである。

 そうなると、将来的には、自動車メーカーは消えて、組み立て・製造工場になるという見方だ。

中略
コモディティ化すれば
個別の自動車メーカーはいらない?

 一方で「未来のクルマを決してコモディティ(汎用品)にはしたくない」と言ったのが、トヨタ自動車の豊田章男社長だ。これは先のマツダとの資本提携会見での発言だが、そこには豊田章男社長なりの強い危機感が背景にあり、「私たちの前にはグーグル、アップル、アマゾンといった新しいプレイヤーが登場している」と続ける。

 コモディティ――。自動車が電動化し、知能化し、コネクティッド(つながる)化しシェアリングされていくことで汎用品になっていくと、ブランドの個性は必要なくなるし、個別の自動車メーカーもいらないとの極論にも繋がる。

つまり、環境対策の電動化に安全対策の自動運転化は、今後のモビリティの大きなうねりである。、加えて、繰り返すが、モビリティ社会におけるシェアリングビジネスの台頭は「クルマを保有する」という固定観念さえも大きく覆していくことになる。

 米シリコンバレー発のIT・AIベンチャーのモビリティ産業への参入は、半導体最大手の米インテルによるイスラエルのモービルアイ買収やエヌビディアの急速な台頭など、テスラに続き話題が尽きない。一方で独ボッシュやコンチネンタル、日本のデンソーなどメガサプライヤーの動きも目が離せない。
http://diamond.jp/articles/-/139781

【EV】EV普及で「自動車メーカーは10年後に消滅する」の現実味 [無断転載禁止]?2ch.net
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