パナソニックは30日、東京都内で2017年度の事業方針説明会を開き、低利益体質からの脱却に向け、成長分野への投資を拡大する方針を示した。

 家電が中心の社内分社「アプライアンス」は製品の高級化を進めることなどで、営業利益を前期比12%増とする目標を掲げた。

 家電では、次世代パネル「有機EL」などを使って国内で発売するテレビを高画質化したり、デザイン性を高めたりする取り組みを進める。業務用ではスーパーマーケット向けの冷蔵庫など、成長が見込める分野の販売体制や投資を強化する。

 アプライアンスの本間哲朗社長は「収益性や成長性で、業界水準に比べてまだ見劣りがする。成長事業に重点的に投資していく」と説明した。

 住宅や介護などを手掛ける社内分社「エコソリューションズ」も12%の営業増益を計画。介護事業の拡大路線を修正する一方で、国内の住宅リフォームや米国での太陽光発電事業を拡大する。

 企業向け製品を提供する社内分社「コネクティッドソリューションズ」では、異例の古巣復帰を果たした樋口泰行社長が「高利益体質につくり変える」と意欲を示した。37%の営業増益に向け、拠点を主要顧客の集まる東京に移し、提案力を高める方針を打ち出した。

 自動車向け製品などを扱う社内分社「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」は、電気自動車向け電池の需要などを取り込み、10%の増収を見込む。ただ、営業利益は販売経費などの増加で前期並みにとどまる見通しだ。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170531/bsb1705310500002-n1.htm