セイノーホールディングス傘下の西濃運輸は24日から、定期運送便の荷物の位置をスマートフォン(スマホ)やパソコンで逐次確認できる法人向けサービスを東京で始めると同日発表した。まず500コースが対象。トラックのドライバーが持つスマホの全地球測位システム(GPS)機能を利用する。荷物の位置に関する問い合わせへの対応で、輸送が遅れるのを防ぐ。

 法人向けサービスの名称は「いち知る」。荷物の配達先や受取先が決まっている場所を結ぶ定期運送便である「特別積み合わせ貨物運送」が対象。ドライバーが荷物を受け取り、ハンディーターミナルで入力すると、運送や配達している荷物の位置が画面上の地図などに表示される仕組み。配達予定時刻も分かるようにする。GPS機能を使うことで、渋滞の遅れも随時反映する。利用者は到着の時期を把握しやすくなる。

 6月から首都圏の1都6県の6700コースに対象を広げ、11月にはグループの1万8千コースにサービスを広げる。

 同社の業務の大半は法人間の荷物の輸送。これまでは利用企業から、荷物の位置やいつ届くかといった問い合わせも多かった。ただ、同社がドライバーに電話で確認することで、車を停止する必要があり、物流が滞ることがあった。新サービスを始めることで、電話応対による作業の遅れを防ぐ考えだ。


2017/4/24 11:00
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFD24H0M_U7A420C1000000/