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 北海道立総合研究機構(道総研)とそらち南農業協同組合(JAそらち南、本所・栗山町)は、食用にも飼料用にも利用できる道産の「マルチコーン」を粉砕した国内初のトウモロコシ粉を作った。

 乾燥した粒として利用するトウモロコシは、これまで全量を輸入に頼り、国産品はなかった。トウモロコシ粉を使った新商品の開発も始まっている。

 マルチコーンは、家畜飼料に使われるデント・フリント種のうち、畑で完熟させた実だけを収穫して利用するトウモロコシで、道総研が名付けた。JAそらち南は、輪作でトウモロコシを栽培しており、2014年から道総研と食材利用の共同研究を開始した。赤みや香りが強い品種を選び、16年は農家5戸が計約10ヘクタールで栽培。今年1月から本格的に出荷を始め、2トンを生産する予定という。

 小麦粉と異なり、サクサクした食感が特徴で、札幌のパン店がコーンブレッドを作ったり、砂川市の菓子メーカーがスナック菓子を作ったりするなど、商品開発にも使われている。

 価格は輸入原料と比べて2倍ほどと高めだが、道総研は「国産品はこれまでなかったので、使ってみたいという問い合わせは多い」という。インターネットを使って小売りもしている。

2017年04月10日 08時52分