政府全体の2019年度科学技術予算は計4兆2670億円で、年度当初時点で初めて4兆円を超えることが明らかになった。19年度予算案で各省庁が計上した科学技術関係予算を内閣府が集計した。18年度当初予算額(3兆8401億円)に比べ、4269億円(11・1%)の大幅な増額となった。

 日本の科学技術力をめぐっては、優れた研究論文の数が減少するとともに、若手研究者や地方大学の研究環境の悪化が顕著だ。このため、19年度予算案では、文部科学省が、優れた研究を支援する「科学研究費助成事業(科研費)」を前年度に比べ86億円増やし、基礎科学研究や若手研究者育成のてこ入れを図る。

 また、厚生労働省は、創薬や画像診断を支援するAI(人工知能)の開発などを推進。国土交通省も、AIやロボットを活用した建設技術の高度化などを進め、イノベーション(技術革新)をいち早く実現させる取り組みに力点を置いている。これらの政策の積み上げで、大幅な増加となったという。

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読売新聞
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