ラーメンでインフルエンザをぶっ飛ばせ!−日本薬科大(伊奈町)は、こんなコンセプトのオリジナル担々麺を東京都内の人気ラーメン店「麺屋武蔵」と共同開発している。抗菌作用がある竹炭を麺に使うなど風邪防止に効果的とされる食材をふんだんに使用。学生の意見も取り入れながら改良中で、インフルエンザの流行のピークが見込まれる来年1月下旬に発売する予定だ。(藤原哲也)

 同大は国内初の漢方薬学コースを設置しており、これまでも体に良いという漢方の食材を用いて健康に役立つ産学連携商品を発表。ラーメン開発は、麺屋武蔵の矢都木(やとぎ)二郎社長(42)が伊奈町出身だった縁で今年始まった。三月に「花粉症対策ラーメン」、七〜八月に「日焼け対策ラーメン」を販売して好評だったことから、第三弾としてインフルエンザ対策が企画された。

 同大によると、開発中の「インフルエンザ対策ら〜麺」は竹炭に加え、滋養強壮効果のある烏骨鶏(うこっけい)のスープと卵で作った味玉を入れ、体を温める作用の強い香辛料の八角や高麗人参(にんじん)の入った自家製ラー油を使用。薬味には免疫力を高める松の実も入れている。見た目が竹炭の影響で全体的に黒っぽいのも特徴だ。

 今月十九日には麺屋武蔵の店舗で、大学内の部活動「漢方研究部」に所属する学生の代表六人が参加して試食会を開催。じっくりと味わった後に全員で意見交換した。三年生の浅野誠さん(21)は「辛くても食べやすくておいしいし、黒い麺も違和感はない。チャーシューにラム肉を使っているが、臭みがなくて食べやすかった」と高評価だった。

 同部のアドバイザーで、担々麺のレシピを考えた管理栄養士の棚橋伸子さん(39)も「期待以上の仕上がりで感動した。『ら〜麺』でウイルスに負けない体をつくってほしい」と絶賛。学生の意見を踏まえ、ラム肉の量や辛さなどを調整して仕上げるという。

 矢都木社長は「ラーメンは『不健康の代表』とのイメージがあるが、これらの商品で払拭(ふっしょく)したい。大学と連携することで、ラーメンの既成概念も崩していきたい」と期待を寄せる。

 「インフルエンザ対策ら〜麺」の価格は、税込み千円の予定。東京都千代田区の「麺屋武蔵 神山」のみで限定販売される。

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