玉川大学(東京都町田市)と読売新聞立川支局が共催する連続市民講座「進む大学研究〜最先端の現場から」の第11回(最終回)が22日、同大で開かれ、299人が受講した。工学部の岡田浩之教授(認知発達ロボティクス)が、AI(人工知能)・ロボットの今後のあり方について解説した。

 講座のテーマは「AIとロボットが創る未来の社会〜人間と協働するAI・ロボット」。岡田教授によると、AIとは「コンピューターに知性を与える手法の総称」で、現在は第3次のブームという。

 AI・ロボットが囲碁や将棋などで人間に勝ったり、心臓手術を成功させたりしているほか、大量の法律を記憶した「弁護士AI」も登場している。

 こうした専門領域での開発が目立っているが、これらは、「プログラムによって設定されたことを実行しているだけだ」と岡田教授は指摘する。

 自律的に動くAI・ロボットの開発への道のりは遠く、これまでの研究開発の状況から、「2050年になっても『ドラえもん』や『鉄腕アトム』のようなAI・ロボットは誕生しない」と予言する。

 多くの人々が恐れているような、比較的単純な仕事をAI・ロボットに奪われる事態は、今後数十年は起きないという。無数にある仕事のコツを分析して、AI・ロボットに設定するには、膨大な時間と労力が必要だからだ。

 第一線でAI・ロボットを開発する岡田教授は「AI・ロボットは、あくまで道具。自力で学習して、様々な能力を身に付けられる人間を過小評価すべきではない」と述べた。

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読売新聞
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