2018年6月15日 18時07分
科学や芸術の発展に貢献した人に贈られる、ことしの「京都賞」に、数学の1つ「代数解析学」の要となる理論を確立した、京都大学特任教授の柏原正樹さんら3人が選ばれました。
「京都賞」は、京都市にある稲盛財団が、科学や芸術の発展に貢献した人に贈る国際的な賞で、15日、3つの部門のことしの受賞者が発表されました。

このうち「基礎科学部門」では、京都大学数理解析研究所特任教授の柏原正樹さん(71)が選ばれました。

柏原さんは、数学の1つ「代数解析学」の要となる「D加群の理論」と呼ばれる理論を確立し、現代数学の発展に分野を超えて影響を与えてきました。

会見に出席した柏原さんは「恩師に恵まれ、共同研究者の力も借りてここまでやってきました。数学はクイズに似たところがあって、
どの道を進んでいくとうまくいくかがわかる時があります。そういう時がいちばんおもしろく、充実した気持ちになります」と話していました。

また「先端技術部門」では、脳の神経細胞を光を使って操作する「光遺伝学」と呼ばれる技術を確立したアメリカ・スタンフォード大学教授のカール・ダイセロスさん(46)が選ばれました。

46歳での受賞は、8年前に京都大学教授の山中伸弥さんが受賞した時より2歳若く、最年少だということです。

「思想・芸術部門」には、50年ほど前にパフォーマンスとビデオアートを融合させ、新しい芸術表現を作り上げたアメリカ・マサチューセッツ工科大学名誉教授のジョーン・ジョナスさん(81)が選ばれました。

「京都賞」の授賞式は11月に行われ、ことしから賞金額がこれまでの2倍となる1億円に増額されることになっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180615/k10011479681000.html