奈良県森林技術センターと森林総合研究所は27日、
マツタケと近縁種のバカマツタケの人工栽培に初めて成功したと発表した。
バカマツタケは、マツタケと見た目や食味、香りが似たきのこ。
菌糸を培養して苗木と一緒に植え、広葉樹の多い林で発生させる。
採集より安定生産が見込め、良食味を生かした有利販売ができるとして、奈良県内のきのこ農家に技術の普及を進める。

 バカマツタケは全国の広葉樹林に発生し、やや小ぶりでマツタケ程度の大きさに育つ。
戦後に発見されたため知名度は低いが、食用にする。マツタケ同様、菌床栽培や人工栽培ができなかった。

 開発した栽培法は培地で2カ月間、菌を培養。菌糸を砕いて土壌資材と混ぜ、苗木の根に密着させて林内に植える。
苗木や林の樹種はミズナラ、コナラ、クヌギ、ウバメガシなどブナ科の広葉樹が適する。

 奈良県内で2016年11月に約10本植え、菌糸などの塊「シロ」を3本で確認。17年10月にきのこ1個が発生した。
シロは菌糸が定着した証拠で、今後もきのこの発生が見込める。

 技術はマツタケへの応用も期待できる。
同センター森林資源課は「広葉樹を生かし、
収入増加や荒廃した里山の手入れを兼ねた栽培につなげたい」と普及に期待する。

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日本農業新聞
https://www.agrinews.co.jp/p43388.html