1950年代、

ジャマイカにはすでに、
中で家族四人が
暮らせるくらい
デカいスピーカーがあり、

大陸をまたいで
聞こえるくらい
増音能力のあるアンプが
断崖絶壁のように積み上げられていた。

サウンドシステムは
それぞれの地区の心臓の鼓動だった。

当時のキングストンの
ダウンタウンでは、
全ての若者が
どこかのサウンドのサポーターだった。

ひいきのサウンドシステムの味方につき、
盛り上げるのは
男の沽券にかかわることだった。

それが
地元のため、
友達のため、
自分の名声のため、
だったのである。

1950年代には、
そうする事が
すでに当たり前だったのである。