・ボコ・ハラムに拉致され、妊娠させられた女性たちの苦難

帰還しても、地域社会からは軽蔑の眼差しを向けられる

「家に帰った時、父は私を見ようとしませんでした。赤ちゃんの頃からずっと私の面倒をみてくれた人なのに。父が私を拒絶している......私の心は打ち砕かれました」

クルさんは3年間、イスラム過激派組織ボコ・ハラムに拉致・監禁された。ボコ・ハラムはナイジェリア北東部で活動する、アフリカで最も残虐な武装勢力として知られている。

クルさんは2017年に救出され、家族と再会することを望んだ。しかしクルさんはすぐに気づいた。他の拉致された若い女性たちと同じく、自分に降り掛かった厳しい試練はまだ続いており、彼女が待ち望んでいたハッピーエンドにはほど遠い状況だと。

2014年4月、ナイジェリア北東部のチボクにある学校から、女子生徒276人が拉致された。クルさんと彼女の妹もその中に含まれていた。この拉致事件は世界中に知れわたり、有名人や政治家が支援に乗り出し、「#BringBackOurGirls(私たちの少女を返して)」という運動が広がり、ナイジェリア政府に少女たちを奪還するよう強く求めた。この運動は2018年2月、東部のダプチで110人の生徒が学校から拉致された時に再び盛り上がりを見せた。

世界中で行動を起こすように求める声が上がったが、拉致された少女たちは何か月もの間、場合によっては何年もの間行方不明なので、メディアの関心は薄れていった。解放されて家に帰れたとしても、その後少女たちが直面する先行きが不透明な将来には、ほとんど目が向けられなかった。

帰還を祝う集いを開いてもらえることもなく、少女たちの多くは拒絶され、ひどい虐待を受けた。ボコ・ハラムに拘束されていたほうがましだったと当人が思うほどひどい虐待もあった。「あまりにもひどくて、自らボコ・ハラムの元へ戻っていった女性もいます。女性たちは、基本的に自分しか頼るものがありません。何も持っていないのです」と、紛争予防に携わるNPO「インターナショナル・アラート」のシンディ・チュンゴング氏は語った。

長い捜索を経て、軍が生存している女性たちを発見しても、彼女たちは厳しい尋問や検査を受けなければならない。こうした手続きは、女性たたちがボコ・ハラムの過激思想を受け入れていないかを確かめるために行われる。

しかしチュンゴング氏によると、解放された女性たちの多くは検査をクリアしたかどうかにかかわらず、今もなお暴力の象徴とみなされるという。そして、ボコ・ハラムの信奉者になったのではないかと見られる。決して、被害者とは見られない。「こうした女性たちが戻ってくると、自分たちが殺されるのではないかと恐れるのです」と、チュンゴング氏は語る。

(ボコ・ハラムに拉致された女性アイシャさん)
https://s.aolcdn.com/hss/storage/midas/6030c6ee2fc8dd55f63a93039d2eb29a/206658327/5acc84831e000008087b1067.jpg

※続きはリンク先で

2018年09月13日 15時30分 FUFFPOST
https://m.huffingtonpost.jp/2018/09/12/boko-haram-20180912_a_23524750/