まにら新聞入手のマラウィ地上戦の戦闘映像に米兵とみられる男性兵士。憲法上の論議も

ミンダナオ地方マラウィ市を占拠したイスラム過激派と戦うフィリピン軍の装甲車に米兵とみられる男性が同乗している映像を、まにら新聞は25日までに比軍関係者から入手した。映像は約7分間で、右肩に星条旗章を付けた男性が戦闘地に入り、路上に倒れている負傷兵を救出する様子を生々しく写している。
 比軍のミンダナオ西部司令官のカルリト・ガルベス陸軍中将は「米軍が戦闘地域で負傷兵の救命活動に参加することもある」と述べ、米兵である可能性を認めた。
 しかし、外国軍が比国内の地上戦に参加していたとすれば、憲法上の論議を呼ぶ可能性がある。
 映像によると、男性は銃弾が飛び交う中、比兵士とともに負傷兵を装甲車内に運び入れて手当をしており、比兵士が「衛生兵」と呼ぶ声が収録されている。
 撮影時期は不明だが、軍関係者が映像を編集した日付は7月19日となっている。
 在比米大使館はこの映像について「コメントできない」としつつ「米軍はミンダナオに展開しているが、(任務は比軍への)助言と技術支援だけだ」として戦闘参加は否定した。米軍はマラウィでの戦闘を巡り、偵察機や無人飛行機などによって得た情報を比側に提供してきたことはこれまでも認めてきた。
 「イスラム国」(IS)を支持するイスラム過激派マウテ・グループらは5月23日にマラウィを占拠したが、国軍は10月23日に過激派全員を掃討したとしてとして戦闘終結宣言を出している。5カ月間の戦闘で過激派962人、国軍・警察官165人、民間人47人が死亡した。(石山永一郎)

まにら新聞
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