【5月5日 AFP】

米デルタ航空(Delta Air Lines)を利用した米国人家族が、オーバーブッキング(過剰予約)が発生した便で子どもの座席を譲ることを拒んだため、降機を強いられたと訴えている。ユナイテッド航空(United Airlines)の強制降機問題などで揺れる航空業界のさらなるイメージ悪化を招きかねない出来事だ。

今回の問題は、米カリフォルニア(California)州ハンティントンビーチ(Huntington Beach)在住のブライアン・シアー(Brian Schear)さんとその妻子が先週、ハワイ(Hawaii)からロサンゼルス(Los Angeles)に戻る便に搭乗した際に起きた。

夫妻がユーチューブ(YouTube)に投稿した動画によれば、客室乗務員は夫妻の2歳の息子が座っている席を空けるよう要求。シアーさんは当初、料金を支払ったとの理由で拒否したものの、最終的には要求を受け入れたが、それでも妻と幼い子ども2人と共に降機を強いられてしまった。

最初に降機を拒否した際、シアーさんは乗務員から「これは連邦法違反で、あなたと妻は収監され、子どもたちは里子に出されることになる」と伝えられていた。このやりとりを撮影した動画は4日、ソーシャルメディア上で拡散した。

航空業界では同様の問題が相次いでおり、世間の怒りを引き起こすとともに、関与した航空会社のイメージ悪化につながった。とりわけ、先月にユナイテッド航空を利用した医師が流血しながら機内から引きずり降ろされた問題は注目を集めた。

シアーさんによれば、一家は同機から降ろされた後、急いでホテルを見つけなければならなかった上、翌日のユナイテッド航空便に乗るため2000ドル(約22万円)を支払った。

譲渡を求められた席はもともと18歳の息子のために購入したものだったが、この息子は既に別の便で帰路についていたという。

動画では、席を空けるようシアーさんを説得するデルタの乗務員が、連邦当局の規定により2歳の子どもは飛行中、親の膝に座らなければならないと説明している。

一方、シアーさんは、ハワイ行きの便でも息子はひとりで席に座っていたと反論。デルタ航空はチェックインと座席割り当ての時点でこの状況を把握していたはずだと指摘している。

同航空のウェブサイトには「2歳未満のお子様にはお座席の購入と公認チャイルドシートのご利用をお勧めします」と記載されている。


2017年05月05日 07:16
http://www.afpbb.com/articles/-/3127270