2018年06月08日 アニメ 映画 マンガ
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劇場版アニメ「曇天に笑う<外伝> 〜宿命、双頭の風魔〜」の一場面 (C)唐々煙/マッグガーデン・曇天に笑う外伝製作委員会


 劇場版アニメ「曇天(どんてん)に笑う<外伝>〜宿命、双頭の風魔〜」(若野哲也監督)が9日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで公開される。
唐々煙(からからけむり)さんのマンガが原作で、外伝シリーズはその前日譚(たん)、後日譚に当たるマンガ「曇天に笑う<外伝>」を基にした3部作。
今作は中編で、2017年12月に前編「〜決別、犲(やまいぬ)の誓い〜」が公開された。中編では、曇3兄弟・天火の親友である金城白子の物語が描かれる。

 曇天火に金城白子と名付けられた男・壱助(櫻井孝宏さん)は、双子の弟である壱雨(遊佐浩二さん)と共に、大蛇復活が宿願の風魔一族の頭領・十代目風魔小太郎として一族を束ねてきた。
一族では双子は忌み子とされ、片方が殺される決まりだったが、やがて長の座を得る。互いを自分自身のように思いつつ、心の奥では互いが持ち得ぬものを切望し合う2人。
しかし宿願を果たせず、白子は弟を失う……というストーリー。声優として、津田健次郎さん、井上喜久子さんらも出演している。

 原作では描かれなかった風魔の物語は、やるせなさや切なさが詰まった重厚な展開。風魔が影に生きるという宿命があるとはいえ、どこかもの悲しく、
さらに親子の絆が、そのもの悲しさを一層引き立たせ、目頭を熱くさせる。白子と壱雨の激情と家族の生きざま、
そして仮面の男の謎が明らかになるなど、オリジナル要素も満載。ドラマチックな世界観にぐいぐい引き込まれた。(遠藤政樹/フリーライター)

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