2017年12月06日 20時00分 公開
同性でも1人でも いろんな結婚式を描いた1990年の絵本『けっこんしようよ』に絶賛の声 誕生の背景は
当時はあまり受け入れられなかった絵本。今話題になったことについて「世の中が変わってきたんだなと思った」と作者の新沢としひこさんは語ります。
[ねとらぼ]

 「女の子とくまのぬいぐるみ」「男の子と図鑑」「ひとりで結婚式」――子どもたちのさまざまな結婚式を描いた絵本『けっこんしようよ』(岩崎書店)がTwitterですばらしいと話題になっています。


 「女の子と女の先生が結婚」「男の子が図鑑の花嫁に」「結婚しない式」など、同作では自由な結婚式が描かれています。出版されたのは1990年、LGBTやジェンダーフリーといった概念が今ほど浸透していない時期でした。
その時代に同性同士での結婚式や1人での結婚式を描いた作品に、「すごすぎ」「先進的」と称賛の声が寄せられています。作者の新沢としひこさんにお話をうかがいました。

 もともと保育園の先生だった新沢さんは、生徒の保護者が絵本の編集者だったことから絵本の制作に携わることに。『けっこんしようよ』は、園の生活のことを絵本にしてほしいと依頼され制作した「ドレミファえんのたちつてとっこ」シリーズの1冊として生まれました。

 『けっこんしようよ』の話を生んだのは、ジェンダーのことを世に訴えるという強い気持ちではなかったと新沢さん。「結婚しないとまともじゃない」「結婚しないと一人前じゃない」など、結婚しなければいけないというのが嫌だという思いが発端だったのだそうです。

 「結婚しなくてもいいんじゃない」。ただ、結婚しないと結婚式はできない。結婚式は家族や友達などみんなが祝ってくれるいいもの。
だから、何と結婚したっていい。同性同士でも、相手が誰でも愛し合ってる人を祝福するのが結婚式――そういった考えから生まれたお話でした。子ども向けの絵本だから自由にできた、とも新沢さんは話します。

 当時の編集担当さんからは「奇抜で面白い」「メッセージが深いですよね」という反応があったとのこと。「よくOKしてくれたな」と新沢さんは振り返ります。
絵を担当した方(今井弓子さん)も喜んで気持ちよく絵を書いてくれたとのこと。ただ、世間にはあまり分かってもらえなかったのだそうです。

 時を経て、今Twitterで話題になっていることについては「世の中が変わってきたんだなと思った」「今だからこそこういうメッセージが伝わりやすくなった」
とうれしく受け止めているとのこと。同性婚も「今はリアリティーを持って感じられるんだな。いい世の中になったな」と思ったと語ります。

 同作は絶版になっており、入手が難しい状態。Twitterでは「買って読みたい」という声もあり、「復刊したらいいね」と新沢さん。

      ===== 後略 =====
全文は下記URLで

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1712/05/news113.html
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