凛「六月」ヒデコ「八日は」雪穂「ヴァイキングの日?」穂乃果「世界海洋デー!」
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【五月・講堂】
フミコ「ごめん…頑張ったんだけど…」
ことほのうみ「」
ことり「穂乃果ちゃん…」
海未「…穂乃果」
穂乃果「このままじゃダメだよ!そうだ、海へ出よう!」
海未「私ですか?」
ミカ「そんな“京都、行こう。”みたいに…」
ことり「海へ出てどうするの?穂乃果ちゃん…」
海未(スルーされました)クスン
穂乃果「海へ出てから考えよう。きっと大海原へ出れば小さな悩みなんて飛んでっちゃうから、いい考えが浮かぶはずだよ♪」
亜里沙「Хорошо」パチパチ
ことほのうみフミミカ「えっ」
海未「どなたです?」
亜里沙「絢瀬亜里沙です。…あの、よかったら私も連れて行ってください!」
ことり(外国の人かなぁ?…世界の海へ出るなら頼りになるかも?)
絵里「どうするつもり?」
亜里沙「お姉ちゃん!」
穂乃果「おねえちゃん?」
真姫「行きましょ。船は私が手配するわ」
ヒデコ「海かぁ…シーバス釣れるかな?」ワクワク
穂乃果(…というわけで、真姫ちゃんの船で海へ出るよ!)
ミカ「すごい豪華客船…」
真姫「アルクス・プリーマよ」
穂乃果「どこかで聞いたような…?」
フミコ「それより、船でどこへ行くの?」
亜里沙「イラン!私、イランがいいです」
ことり「どうしてイランへ行きたいの?」
亜里沙「ニッポンの時代劇、おイランが出てきます♪」
海未「それはイランではなく花魁だと思いますが…」
亜里沙「えっ。イランには、おイランはいない…?」
絵里「そうね。でもイランはカスピ海を挟んでロシアのお隣みたいなものだし…行ってみる?」 穂乃果「でもカスピ海って湖でしょ。海とは違うような…」
ヒデコ「なら南のペルシャ湾の方から行けばいいんじゃない?」
真姫「ペルシャ湾なら…ルソン海峡を通って西へ抜ける南回りの航路ね」
ミカ「るそん?」
絵里「“眠るジプシー女”や“夢”などを描いたフランスの画家ね」
真姫「それは(アンリ・ジュリアン・フェリックス・)ルソー」
ことり「“キュクロープス”を描いたのもフランスの画家だよね」
真姫「それは(オディロン・)ルドン」
穂乃果「銃刀法違反で逮捕されたことがある元中日ドラゴンズの投手だっけ?」
真姫「それは(マキシモ・)ネルソン」
亜里沙「ルソンってどこですか?」
海未「台湾の南、フィリピンの北にある海峡ですよ」
穂乃果「よーし。行こう!ペルシャ湾へ!」
ヒデコ「でも遠いし、台湾かフィリピンに寄っていくでしょ?」
真姫「まあペルシャ湾までは1万2000kmくらいあるから…多分そうなりますね」
フミコ「フィリピンって、かなり南のほうだよね。暑そうだなぁ…」
ことり「日焼け止め必須って感じだね」
ヒデコ「でも釣りが捗りそうだよ。楽しみ♪」
ガコン
絵里「!?…な、何事?」
ヒデコ「船に何かがぶつかったみたいです」
亜里沙「お姉ちゃん。ここはどこ…?」
絵里「まだ日本よ」
真姫「本州最南端、和歌山県串本町にある潮岬ね。クレ崎と呼ばれる岩場が最南端といわれてるわ」
海未「岩にぶつかったのですか?」
フミコ「ううん。私はぶつけてないけど…」
ミカ「誰かいるよ。ほかの船がぶつかってきたみたい」
ことり「いったい誰が…?」 凛「どけどけー!海賊にゃ!」
花陽「か、海賊ですっ」
雪穂「船を奪われたくなければ、お姉ちゃんを渡しなさい!」
穂乃果「雪穂…なにやってるの?」
雪穂「だから海賊だって」
凛「海賊にゃ!」
花陽「海賊です!」
絵里「フフフ…たった三人で私たちに勝てると思っているの?」
真姫「ずいぶんナメられたものね」
海未「穂乃果は渡しません。不埒な海賊など私が成敗します!」
花陽「ひぃぃ!ご、ごめんなさいっ><」
凛「かよちーん…」
雪穂「ちょ、ちょっと待って。私たちは三人しかいないんだから勝負の方法は私たちに決めさせてよ」
真姫「…って言ってるけど?」
海未「聞くだけ聞きましょう」
雪穂「ここは和歌山県でしょ。みかんの早むきで勝負!」
穂乃果「みかんの季節じゃないような…」
ことり「実じゃなくて花が咲く季節だよね」
真姫「…どうでもいい話ね」カミノケクルクル
雪穂「でもハウス栽培なら5月から秋くらいまで収穫できるし…とにかく勝負だよ!」
穂乃果「よーし。じゃあ私が…」
ミカ「待って。私が相手になるよ!」
ほのフミ「えっ」
ミカ「みかんといえば?」
穂乃果「ミカ?」
真姫「くだらない…」
雪穂(お姉ちゃんじゃないのは想定外だけど…相手が海未ちゃんじゃなければ勝てる!)ニヤリ
花陽「みかん、持ってきたよ…」
海未「では両者、位置について」
雪穂「…」
ミカ「…」ゴクリ
穂乃果「μ's!」
ことほのうみえりまきりんぱな「ミュージック・スタート!」 ミカ(とにかく早く皮をむけばいいんだよね…)ベリッ
雪穂(フフフ…本場で身につけた“和歌山むき”を見せてあげる)
穂乃果「あっ、あれは…!?」
ことり「雪穂ちゃん、みかんを皮ごと割っちゃった?」
雪穂「はい、できたよ!」ドヤァ
ミカ「早い!?」ガーン
亜里沙「Хорошо!ユキホの勝ちだね♪」
穂乃果「雪穂が勝ったってことは…」
雪穂「お姉ちゃんはいただいていくよ!」
絵里「ちょっと待って」
花陽「えっ」
凛「にゃ?」
海未「雪穂は“船を奪われたくなければ穂乃果を渡せ”と言ったはずです」
雪穂「確かに言ったけど…」
真姫「じゃあ船をあげるわ。穂乃果先輩は置いていきなさいよ」
雪穂「そ、そんなぁ!?」
亜里沙「ユキホは穂乃果さんが欲しかったの?」
雪穂「うぅ…だって、亜里沙は連れて行って私は留守番なんて…お姉ちゃん、何も言わずに出かけちゃうし」クスン
穂乃果「そういえば雪穂には言ってなかったような…」
真姫「じゃあ、あなたたちも一緒に来ればいいじゃない」
ゆきりんぱな「えっ」
花陽「えーと…どこへ行くの?」
絵里「ペルシャ湾よ」
亜里沙「イランへ行くんです♪」
穂乃果「うん。一緒に行こうよ雪穂♪」ギュ
雪穂「お姉ちゃん…しょうがないなぁ///」
凛「凛たちも仲間に入れてくれるのー?」
真姫「ま、大きすぎる船だし三人くらい増えても全く問題ないわ」
花陽「じゃ、じゃあ食糧とか積み込んじゃうね…」ドサ
ことり「大量のお米…」
海未「食糧には当分困らなそうですね…」
ヒデコ「おかずは私が釣ってきたよ!」
穂乃果「ヒデコ!いつの間に…」 フミコ「何が釣れたの?」
ヒデコ「イシダイだよー。タイだけに大漁♪」
凛「ちょっと寒くないかにゃー?」
ミカ「わー。どれも結構大きいね…40cmくらい?」
海未「イシダイは最大80cmくらいになるといわれていますが…」
ヒデコ「うん。でも60cm以上に育つと毒をもつ個体が増えるし味が落ちるから食用には向かないんだ。釣り自体は大物も楽しいけど、食べるならこれくらいのサイズがいいみたい」
ほのフミミカ「へー」
穂乃果「ちなみにヒデコは何を狙って釣りに行ったの?」
ヒデコ「…シーバス」
ミカ「じゃあやっぱり外道じゃん」
ヒデコ「うん…」シュン
フミコ「まあまあ…早速さばいて料理しようよ」
真姫「一応チェックするわ。特に刺身で食べる分は」
花陽(船に器材を積んできたみたい…魚に寄生虫がいないかチェックするんだって)
花陽「ごはん炊けたよー♪」
海未「刺身、できました」
穂乃果「煮付けもできたよ♪」
凛(お魚は興味ないけど…でもいい匂い。おなかすいたにゃ)グー
花陽「凛ちゃん、食べられる…?」
真姫「何、魚が苦手なの?」
凛「凛、小骨があったり生臭いのが苦手で…」
ヒデコ「鮮度は保証するよ。刺身のほうは小骨もちゃんと取り除いたし」
凛「うん。あんまり生臭い感じはしないにゃ」
ことほのうみえりまきりんぱなゆきありヒフミ「いただきます♪」
花陽(炊きたてツヤツヤごはんに透き通るようなお刺身…最高ですっ)モグモグ
穂乃果「ど、どう…かな?」
ことり「うん。おいしい♪なんだかお母さんの料理みたい…」
穂乃果「えへへ。よかったぁ♪」
絵里「煮魚ってこんなに美味しい物なのね…」
亜里沙「Хорошо♪穂乃果さん、いいお嫁さんになれるね」
穂乃果「あ、ありがと///」
ことうみゆき「!?」 フミコ「星空さんはどう?」
花陽「これくらい新鮮なお刺身だったら…」
凛「うん…おいしいにゃ」
海未「それはよかったです」ニコ
ヒデコ「釣った甲斐があるなぁ♪」
【海上】
花陽「次はどこへ行くんですか?」
フミコ「このまま西へ向かうよ。四国は素通りかなぁ」
凛「じゃあ九州に向かってるんですね。ラーメン食べたいにゃ♪」
ミカ「でも、このルートだと福岡には行かないと思うけど…」
凛「え。…じゃ、じゃあせめて熊本ラーメン!><」
ことり「そんなにラーメンが好きなの?」
ヒデコ「九州かー。何が釣れるかな♪」ワクワク
ズーン
亜里沙「Ой!?」
にこ「どわぁ!?」
凛「にゃ!?」
海未「今度は何事ですか…?」
真姫「足摺岬にでもぶつけたの?」
花陽「う、ううん。四国はとっくに通り過ぎたはず…」
絵里「もしかして…また海賊の襲撃!?」
「フフフ…科学で解明できないことは存在しないと思うかね?」
穂乃果「だ、誰!?」
ドタバタ
にこ「出てきたわね。スクールアイドルのなれの果て」
希「にこっちは人のこと言えないんと違う?」
にこ「うっさい。あの分不相応な船を奪うわよ!」
絵里「希!?…まさか、あなたまで海賊に?」
希「ウチだけがはぐれ者やと思ってる?それは大きな勘違いや」
にこ「そうよ。見なさい!」 生徒会A「私たちも」
生徒会B「副会長と」
生徒会C「一緒です!」
絵里「えーと…誰?」
生徒会ABC「」ガクッ
希「生徒会や、生徒会!エリち以外は全員こっちにいるんよ」
亜里沙「じゃあ、お姉ちゃんだけ干されちゃったの…?」
雪穂「あ、亜里沙…そんな言葉どこで覚えたの?」
真姫「生徒会が会長に逆らっていいの?」
希「下剋上や。ウチを置いていったこと、後悔させてあげる」
にこ「太平洋ナンバーワン海賊の実力を思い知るがいいわ!」
凛「スケールが小さいにゃ」
絵里「前は銀河とか宇宙とか言ってなかった?」
にこ「うるさいうるさい!とにかく勝負よ!」
希「ウチらが勝ったら」
にこ「にわかスクールアイドル!あんたたちは解散しなさい!」
ことほの「えぇ!?」
海未「わ、私たちですか?」
希「ちょっと、にこっち。それじゃウチらは誰も何も得しないやん?」
にこ「じゃあ、あんたは何が望みなのよ?」
生徒会A「会長のかわりにμ'sが生徒会に入ってくれる…とか?」
生徒会B「それいい!私、園田さんがいいな♪」
生徒会C「じゃあ私は星空さん♪」
凛「り、凛は関係ないにゃ><」
真姫「私たち全員に勝負を挑んできたなら無関係とは言えないでしょ」
絵里「生徒会の造反は会長である私の責任…負けるわけにはいかないわね」
花陽「で、でも勝負の方法は…?」
にこ「かりにもアイドルを名乗るなら、歌で勝負しなさい!」
真姫「まあ、それなら…」
穂乃果「いいよ。歌で勝負だ!」
希「ちょ、にこっち。それはあまりにも無謀…ほら、カードもやめとけって言うてるよ」
にこ「知らないわよ。あんたの占いなんてアテにならないでしょ」 雪穂「採点つきカラオケ!?」
凛「すごいにゃ!」
真姫「そう?今時どこにでもある普通のカラオケでしょ?」
花陽(それが船にあるのはやっぱりすごいと思う…)
にこ「まずは希、行きなさい!」
希「いきなりウチなん!?」
にこ「そっちは誰が歌うの?」
絵里「わt」
亜里沙「はい!」
雪穂「え。亜里沙!?」
亜里沙「私、μ'sのライブを見て感動したの。今度は私が、みんなのために歌いたい!」
ことり「えーと…気持ちは嬉しいんだけど…」
真姫「カラオケ得意なの?」
亜里沙「いっぱい練習しました!」
絵里(まあ、亜里沙なら希には勝てるわよね…?)
ミカ「今どこ?」
フミコ「高知県の端っこにある離島群の辺りだよ。すぐそこに見えるのが姫島だね」
花陽「姫島…姫といえば…」
希「廃校ー♪廃校ー♪学校が好き♪」
絵里「廃校!?」
穂乃果「もしかして…白雪姫?」
ことり「小人たちが歌うあれだね」
希「廃校ー♪廃校ー♪オカルトも好き♪七不思議の七番目は廃校ー♪廃校♪」
真姫「イミワカンナイ…」
花陽「て、点数は…?」
凛「81点にゃ」
希(ウチにしては頑張った方…かな?)
雪穂「あれ、でもよく見ると81.5って出てない?」
にこ「なんで小数点まであるのよ…」
海未「同点引き分けになりにくいように…ですかね」
穂乃果「81.5…815…廃校!?」 絵里「廃校になんてさせないわ。亜里沙!」
亜里沙「うん!…雪穂も一緒に」
雪穂「え」
にこ「ちょっ、そんなのあり!?」
希「まあ、二人で歌って点数が増えるとは限らないやん?」
にこ「それもそうね…付け焼き刃の即席デュオなんて」
亜里沙「なーかなーい、よーに そーらをーみーてー♪」
穂乃果「あ。この歌…」
亜里沙「ほーほえーみ、たーい ゆーめだからー♪」
にこ「シスタープリンセス…で姫ってわけね」
雪穂「ひーかりーの、なーか♪ だーいすーきーな」
穂乃果「そ、それで妹コンビかぁ…」
雪穂「ひーとみーが、きょーも まっていーたーねー♪」
「はーやく、あいにゆきーたいー♪」
にこ「!?」
「でーすてぃにー♪とーおりーすぎーて」
こころあ「気づいたのー♪」
にこ「ちょっ…こころ、ここあ!?」
雪穂「おーもいでーはー♪」
亜里沙「こーいのはーなー♪」
ここあ「みーつけてーね♪」
こころ「あのひーのよーに♪」
ゆきあり「ひーとりずーつ、咲きつーづけてたー♪」
こころあ「やーさしーい、あーいがーあーるー♪」
四人「こーんなーに、あーいがーあーるー♪」
花陽「わぁー♪」パチパチパチ
真姫「92点ね」
凛「圧勝にゃ♪」
希「だから無謀やって言ったのに…」
絵里「ハラショー!よくやったわ亜里沙♪」ナデナデ
亜里沙「えへへ」 にこ「こころ、ここあ!なんでいるのよ!?どうやって来たの?」
ここあ「えーとね、れんきゅー?だからおかあさんといっしょにきたの!」
こころ「お姉さまに会いに行きたいと言ったら、連れて来てくれたんです」
にこ「そ、そうなの…で、ママは?」
ここあ「きゅーしゅー?のおさけ、のみたいって」
こころ「先に大分県へ行ってしまいました…お姉さまに私たちのことをよろしくって」
にこ「仕方ないわねー。休みが終わる前に帰るのよ?」
こころ「はい」
ここあ「はーい!」
希「お姉ちゃんに会いたいって気持ちが伝わってくるいい歌やったね」
ここあ「えへー♪」
こころ「ありがとうございます♪」
にこ(目の前にいたけどね…)
穂乃果「可愛かったよ!雪穂ー♪」ギュー
雪穂「や、やめてよお姉ちゃん…暑苦しい///」
穂乃果「もしかして私のこと思って歌ってくれたりした?」
雪穂「一応ね。お姉ちゃんの妹だし」
穂乃果「雪穂ー♪大好き!」ギュー
雪穂「や、やめてってば…もう///」
ここあ「かいぞく?かいぞく?」ワクワク
にこ「あー。いや、もうやめとくわ。負けたし…」
絵里「どうするつもり?」
にこ「あんたたちの船に乗せてよ」
真姫「いいけど…私たちはペルシャ湾へ向かう予定よ」
にこ「ペルシャ?…って、あのフサフサした高い猫?」
ここあ「わー!ねこ、いるの?さわりたい♪」
真姫「いや、海に猫はいないわよ。鳥じゃないんだから…」
こころ「ああ、ウミネコっていう鳥ですね」
ここあ「にゃーにゃーってなくんだよね♪」
凛「にゃ?」 真姫「猫でもウミネコでもなくてイランへ行くのよ。だからペルシャ湾」
希「そんな遠くまで何しに行くん?」
亜里沙「おイランを見に行くんです♪」
海未「イランに花魁はいないと思いますが…」
生徒会A「可愛い妹がいて、うらやましい…」
生徒会B「私は素敵なお姉ちゃんが欲しいな♪」
生徒会C「星空さん、私たちの妹にならない!?」
凛「お断りしますにゃ」
生徒会ABC「うぅ…」ガクッ
こころ「姫島って、何が有名なんでしょう?」
ここあ「おみやげかってこー♪」
にこ「わざわざ離島で買わなくても…四国か九州じゃダメなの?」
ヒデコ「姫島といえば、なんといってもコレでしょ♪」
穂乃果「ヒデコ!また(いつの間にか)釣りに行ってたの?」
ヒデコ「うん。珍しいの釣れたよ♪」ピチピチ
花陽「わ。すっごく元気…」
ヒデコ「これはサンノジって呼ばれてる魚。ニザダイっていうんだけどね」
絵里「カリフォルニア州サンタクララ郡にある、シリコンバレーの中心都市ね。全米で最も治安がいいといわれる…」
真姫「それはサンノゼ」
花陽「日本の棚田百選にも認定された、島根県雲南市にある棚田ですね。標高300メートル、寒暖差のおかげでおいしいお米ができるんです!」
海未「それは山王寺(さんのうじ)」
穂乃果「麦わらの一味のコックでしょ?」
雪穂「それはサンジ」
海未「クレ崎で食べたイシダイと同じくらいのサイズですね」
穂乃果「にざだい…にがい魚?」
ヒデコ「苦くはないけど、釣ってすぐにさばいて内臓を取り除かないと臭くなって刺身ではとても食べられないっていわれてる魚なの」
凛「生臭いのは苦手だにゃ…」
ヒデコ「まだ生きてるし、すぐにさばくから大丈夫。鮮度が良ければすごく美味しい刺身になるんだよ♪」 ことり「今回は何を狙って釣りに行ったの?」
ヒデコ「姫島ではイサキやグレ(メジナ)がよく釣れるらしいから、たまには両方狙ってみようかなって」
フミコ「で、どちらでもないサンノジが釣れたんだ…」
ミカ「また外道じゃん」
ヒデコ「うん…」シュン
亜里沙「2トンのおいも…っていうんだっけ?」
希「二兎を追う者は一兎をも得ず、やね」
ヒデコ「うぅ…」ガクッ
雪穂「ま、まあお魚は釣れたんだからいいんじゃないですか?」
にこ「じゃあ、何か刺身に合う物でも作るわ」
花陽「ごはんに合う物をお願いします!」
にこ「はいはい」
ヒデコ「ヒレがトゲトゲだからケガしないように気をつけて。ハサミで切り落とすといいよ。あと、ゼイゴっていう…このへんの硬い鱗も危ないから」
穂乃果「うん」
海未「わかりました」
凛(サンノジのお刺身もイシダイに負けないくらい美味しかったにゃ)
【夕方・海上】
穂乃果「きれいだねー♪」
雪穂(お姉ちゃんも…なんて///)
穂乃果「雪穂?」
雪穂「あ…う、うん。船の上で夕日を見る機会なんてなかなかないよね」
穂乃果「ふふふ…よかった♪」
雪穂「何…が?」
穂乃果「雪穂が来てくれなかったら、今頃ちょっと寂しくなってたかもしれないし」
雪穂「ホームシック的な?」
穂乃果「そうそう。雪穂に会いたくて、雪穂ー!って海に向かって叫んでる頃だと思うよ」
雪穂「そうならなくて良かったよ…恥ずかしいし」
穂乃果「誰も聞いてないよ。周り何もない海の上なんだし」
雪穂「船にみんないるじゃん」
穂乃果「雪穂たちが来る前だと、ほぼいつものメンバーだし今更じゃない?」
雪穂「絵里さんや真姫さんとかいるでしょ」
穂乃果「でもほら、海の仲間は家族だから!」
雪穂「どこの艦長よ…」 凛「九州には上陸しないのー?><」
フミコ「だいぶ寄り道しちゃったから…今夜中に奄美方面まで行くよ」
花陽「フミコ先輩、そろそろ休みませんか?」
フミコ「んー。じゃあ22時まで小泉さんお願い。深夜からは私に任せて」
花陽「はい」
フミコ「おやすみ♪」パタン
凛「そういえば、どうしてかよちんが操舵手なのー?」
花陽「えっ。…どうしてだろう…?」
【客室】
フミコ「…」ギュ
ミカ「ねえフミコ。私まだ眠くないんだけど…」
フミコ「居てくれればミカは起きててもいいよ」ファー
ミカ「っていうか、なんで私がフミコの抱き枕代わりなの…」
フミコ「穂乃果ちゃんは競争率高いんだもん…雪穂ちゃんが来てからずっと一緒にいるし」
ミカ(本当は穂乃果がいいんだ…まあ気持ちはわからなくもないけど)
フミコ「…」ウトウト
ミカ(なんか私も少し眠くなってきたかも…)
フミミカ「…」Zzz
パラ
ヒデコ(奄美では何が釣れるかなー)ゴロン
【再びブリッジ】
希「んー」
にこ「また変な占い?あんたも懲りないわね」
希「気になるカードが出てるんよ」
にこ「一応聞くけど、どんなカードよ?」
希「ワンドの5、ワンドの9、剣の2」パタ
絵里「全部小アルカナね…カードの意味は?」
希「それぞれ違った意味もあるけど…この三枚に共通するキーワードは“ライバル”や」
にこ「ライバル?…希にライバルなんているの?」
希「いや、ウチ自身というより船に乗ってる全員を占ったつもりなんやけど…」
にこ「妹たちを除けば音ノ木坂の生徒ってことになるけど」
絵里「音ノ木坂のライバルなら…秋葉原のUTX?」 真姫「私たちが東京を離れてる間にUTXが何か仕掛けてくるとでも?」
希「それはわからないけど…この三枚の意味の違いでそれぞれライバルへの対処の仕方を示してるん」
にこ「どう違うのよ?」
希「ワンドの5は競争、勝負。ライバルに正面から立ち向かうカードや」
真姫「じゃあ、ほかの二枚は?」
希「ワンドの9は慎重、静観、現状維持。ライバルに対し守りに入るカードやな。そして剣の2は譲歩、行き詰まり。ライバルにお手上げというカード」
絵里「要するに、人がたくさんいるからそれぞれライバルに対する考え方が違うってことじゃないの?」
希「そうかもね」
真姫「でもそんなバラバラの状態じゃ、UTXくらい強力なライバルには勝てないわよ」
亜里沙「オトノキ、廃校になっちゃうの…?」
絵里「亜里沙…大丈夫よ」ナデナデ
亜里沙「お姉ちゃん…」ギュ
希(ライバル、なぁ?…ウチらがいない間に東京で何かが?…いや)スッ
希(大アルカナの14番“節制”の逆位置。これは“衝突”の暗示や)
【別の客室】
ことり「家の人たちは花を見て、その美しさをほめてくれました」
ここあ「…」Zzz
こころ「あっ、ここあ。まだおはなしの途中ですよ?」
ことり「ふふふ。東京からずいぶん遠くまで来たから疲れてるんじゃないかなぁ?」
海未「このまま寝かせてあげましょう」
こころ「そうですね…」ファー
ことり「こころちゃんも寝ちゃっていいよ♪」
こころ「いえ。私はまだ大丈夫…」ゴシゴシ
海未「明日はきっともっと楽しいことが待っていますよ。そのとき眠かったらつらいでしょう?」
こころ「は、はい。じゃあ…おやすみなさい」 ガチャ
にこ「…どう?」
海未「二人とも眠ってしまいました」
こころあ「…」スヤスヤ
にこ「悪かったわね。子守みたいなことさせて…」
海未「これといって何もしていませんよ」
ことり「二人とも素直でいい子だから、困ることもないし」
にこ「まあねー。私に似たのかしらね」
海未(見た目と声は似ていますが…)
ことり(性格は全然似てないよね…)
【翌朝】
凛「まだ眠いにゃ…」ファー
希「みんな、水着は持ってきてる?」
ここあ「はーい♪」
絵里「ええ。用意したけど…」
ことり(奄美では4月くらいに海開きなんだよね。もう暑いし海水浴日和なんだけど…)
真姫「でも悪石島は岩場ばっかりで砂浜はほとんどないわよ」
雪穂(屋久島と奄美大島の真ん中くらいにある、トカラ列島の悪石島ってところに来たよ)
こころ「変わった名前の島ですね。悪い石なんて…」
海未「どこもかしこも岩だらけで石が落ちてきそうなので落石島というのが由来ともいわれていますね」
穂乃果「運悪く落石に当たって悪石島!?」
にこ「バカなこと言ってないで、砂浜を探しましょ」
花陽「狭い島だから、人が集まったら混みそうだけど…」
フミコ「祭りの時期以外は、あんまり観光客は来ないみたい」
ヒデコ「島の住民も70人くらいしかいないらしいし…ここなら思う存分釣れるよ♪」
ミカ「ヒデコは泳がないの?」
ヒデコ「だって岩場ばっかりだし、釣りのためにあるようなところでしょ!?」
穂乃果「アハハ。まあ頑張って」
絵里「本当に岩場ばっかりね…」
亜里沙「あ、でも向こうに岩の少ない場所が…」
ここあ「はやくいこー♪」タタッ 「ちょっと待って。ここから先は立入禁止よ」
真姫「はぁ?そんな話、聞いてないんだけど」
希「祭りの時期でもないのに、なんで急に立入禁止なん?」
「私たちが先に見つけた場所だからよ」
「部外者は出て行ってもらおうか」
花陽「あ…あ、あ、あ…」プルプル
凛「あ?」
にこ「A-RISEにそっくり!?」
英玲奈「何ノ話ダ?我々ハ昔カラ島ニ住ム地元ノ人ダゾ」
花陽「な、なーんだ。A-RISEじゃなかったんだ…」
ツバサ「そうよ。ワレワレハ地元人ダ」
にこ「ホントにただの似てる人…?」ジーッ
あんじゅ「あなたたちこそ、修学旅行か何か?」
海未「修学旅行ではありませんが…」
絵里「島民はあなたたちだけじゃないでしょう?ここを私たちが使ったらいけないの?」
ツバサ「どうしても使いたければ、私たちと勝負してあなたたちが勝つことね」
穂乃果「いいけど、何の勝負ですか…?」
あんじゅ「もちろん、アイドルなら歌とダンスで…と言いたいところだけど」
英玲奈「ここは悪石島だ。石にまつわる勝負はどうだろうか?」
海未「石ですか。碁でしたら少々たしなみますが」
ここありりん「ご?」
真姫「囲碁とかの碁でしょ。将棋みたいな盤に白黒の石を置いていくあれ」
絵里「碁なんてわからないわよ」
花陽「わ、私も全然…」
ことり「カーリングは?あれもストーンっていうよね」
亜里沙「カーリング!私、できます♪」
絵里「私も少しなら…」
希「でも南の島でカーリングって…この島ならではの勝負とは言えなくない?」 あんじゅ「そうね…じゃあ、シュタインシュトーセンはどうかしら?」
穂乃果「ドライフルーツをたっぷり使ったドイツの菓子パン」
真姫「それはシュトレン」
花陽「カツオなどの魚の内臓を使って作る塩辛ですね」
海未「それは酒盗(しゅとう)」
にこ「40万本売れたっていう、秋葉原が舞台のゲーム」
こころ「アニメ化もされましたね」
ツバサ「それはシュタインズゲート」
あんじゅ「じゃなくて、Steinstossen(シュタインシュトーセン)。スイスのお祭りで、大きな石を投げて飛距離を競うだけの単純な競技よ」
生徒会ABC「へー」
生徒会A「でも危なくないですか?石を投げるなんて…」
希「じゃあ…せっかく南の島に来たんやし、これを使ったらいいんやない?」
生徒会B「やし…」
生徒会C「ヤシの実!?」
ツバサ「というわけで…ヤシの実を使った南国シュタインシュトーセンよ!」
真姫「ふーん…腕力勝負なら私の出番ね」
英玲奈「フフフ…腕力だけでそううまくいくかな?」
海未「では、こちらも代表を三人選んで三対三の勝負にしませんか?」
ここあ「はーい!ここあやりたい♪」
にこ「いや、ただ遊ぶわけじゃなくて、あの三人と勝負なのよ。ここあじゃ無理よ」
ここあ「えー!」ブー
あんじゅ「ふふふ。じゃあ小さい子は二人分の飛距離をあわせて一人扱いでもいいわよ?」
穂乃果「ってことは、にこ先輩とここあちゃんだね!」
にこ「ぬぁんでよ!こころとここあでしょ!」プンプン
英玲奈「小さい子は二人で一人分だそうだが」チラ
ツバサ「ちっちゃくないよ!」プンプン
ミカ「ヤシの実、持ってきたよ」
生徒会ABC「どうぞ!」ドサ
真姫「こっちは私と海未先輩と、こころちゃんとここあちゃん」
ツバサ「じゃあ私から、いくわよ!」
にこ(本物のツバサか、ただの似てる人なのか…)
花陽(この勝負でわかるかも…!?) ツバサ「えーい!」ポーン
ドサ
生徒会ABC「…」ササッ
フミコ「2メートル83です」
あんじゅ「本物の石を使ったシュタインシュトーセンなら、まあまあの記録だけど…」
英玲奈「ヤシの実でこれだけとは…」
ツバサ「えっ。…あ、あれ?」
にこ「やっぱりただの似てる人ね」
花陽「そ、そうなのかなぁ?」
ここあ「こころ、がんばれー!」
こころ(私、こういうのはあまり得意じゃないんですけど…)
にこ「こころ、落ち着いて。思いっきり投げればいいの」
こころ「は、はい!」
ポーン
ミカ「こころちゃん、2メートル52!」
こころ「すみません…」
にこ「いや、充分よ。ここあが32cm以上なら私たちの勝ちでしょ」
ここあ「いっくよー!」ポーン
生徒会C「ここあちゃんは…3メートル33!」
生徒会B「二人の合計は5メートル85です!」
ここあ「やったー!」キャッキャ
にこ「私たちの勝ちね。よくやったわ。こころ、ここあ」ナデナデ
ここあ「えへー♪」
こころ「…///」
凛「ここあちゃん一人でも圧勝だったにゃ」
ツバサ「うぅ…」ガクッ
あんじゅ「私はツバサと違って甘くないわよ?」
海未「誰が相手でも負ける気はありません」
あんじゅ「ふーん…自信があるなら、何か賭けてみない?」
海未「わずかな砂浜の場所を譲ってもらえば充分ですけど…そちらは何が望みですか?」
あんじゅ「そうね…たとえば」チラ
穂乃果「?」 あんじゅ「私たちが勝ったら、穂乃果ちゃんをもらう…とか♪」
ことほのうみゆきフミ「えぇ!?」
穂乃果「そ、そんなの困るよ。お休みが終わったら音ノ木坂に帰らなくちゃ…」
あんじゅ「お休みの間だけ借りてもいいでしょ?私たちとバカンスを楽しみましょ♪」
穂乃果「まあ、それくらいなら…」
雪穂「って、なに言ってるの!?数日でもお姉ちゃんを渡したりしないからね!」
あんじゅ「あなたは?カノジョを守る自信が無いかしら?」クス
海未「いいえ。私は負けません!」
英玲奈「では、その条件で勝負ということで…」
あんじゅ「じゃあ私から投げるわね」
フミコ「だ、大丈夫なの…?」
ことり「絶対勝ってね、海未ちゃん!」
海未(ヤシの実を投げる…簡単なようですが、普通のボールとも砲丸投げとも違う)
あんじゅ「それっ!」ポーン
花陽「わ。すごい…大きくて重いヤシの実を簡単に…」
にこ「力が強そうに見えないけど、意外とやるわね…」
ミカ「8メートル94!」
穂乃果「894…白紙?」
希「この辺りなら“屋久島”やないかな?」
絵里「いや、別に語呂合わせしなくてもいいと思うけど…」
穂乃果「海未ちゃん、頑張って!」
海未(確実に勝つためには9メートル以上…手加減している余裕は無さそうです)
海未「…」ガシッ
ことゆきフミ「…」ゴクリ
海未(穂乃果は…渡しませんっ!)クワッ
海未「キエエエェェェイ!」ブン
ドボン
穂乃果「海まで届いた!?」
ことり「海未ちゃんだけに…」
亜里沙「Хорошо」
ミカ「飛ばしすぎだよ!」バシャ
フミコ「えーと、海未ちゃんの記録は…」 生徒会A「じゅ、11メートル84!」
凛「いいヤシにゃ」
真姫「何、私がやる前に勝っちゃったの?」
英玲奈「いいだろう…この場所は君たちに譲る。…だが」
海未「何です?」
英玲奈「別のものを賭けた勝負は終わっていない」
穂乃果「え」
英玲奈「最後の勝負だ。私が勝ったら高坂穂乃果はいただくぞ」
真姫「私が勝った場合はどうするのよ?」
ツバサ「仕方ないわね…私たち三人が、あなたたちの旅に同行するわ」
あんじゅ「あの豪華客船でクルージング?悪くないわね」
雪穂「単に船に乗りたいだけなんじゃ…」
花陽(一緒に旅をすれば、本当にA-RISEなのかわかるはず…!)
にこ「その勝負、乗ったわ!」
穂乃果「勝手に決めないで!><」
真姫「勝てばいいんでしょ?」
絵里「勝てるの?…何なら私が」
真姫「海未先輩。さっきの、ちょっと力みすぎてたでしょ?」
海未「え、ええ。わかりますか…穂乃果を渡せないと思って、つい」
真姫(スポーツとも呼べない単純な競技は、言わば物理。腕力だけじゃないってところを見せてあげるわ!)
英玲奈「イクゾー!」ビュン
ドボン
ミカ「ま、また海まで…」
希「これは…すごい記録が出そうやね」
生徒会B「14メートル56!」
凛「すごいにゃ!」
絵里「今のところ最高記録ね…」
ツバサ「1456…石ころ?」
あんじゅ「それはもういいから」
穂乃果「真姫ちゃん、頼んだよ!」
真姫(計算どおりにやれば、15メートルくらい──)
真姫「ふんっ!」シュバッ バシャバシャ
ここあ「おねえちゃーん!」
にこ「ここあ!あんまり遠くへ行っちゃダメよ!」
凛「捕まえたにゃ」ギュ
ここあ「きゃー♪」
亜里沙「ニッポンの海、きれいだね♪」
絵里「トカラ列島だからね…暑いし、東京とはずいぶん違うわ」
亜里沙「おとうふの絞りかす…みたいなの?」
花陽「それは“おから”」
英玲奈「ハラペーニョ、ハバネロ、ブート・ジョロキア」
ツバサ「それは唐辛子」
あんじゅ「ホーローシステムキッチンでしょ?」
希「それはタカラスタンダード」
海未「屋久島と奄美群島の間に点在する小島群をトカラ列島と呼ぶんです」
ほのありりん「へー」
あんじゅ「海のそばには温泉もあるのよ。ゆっくりしていったら?」
穂乃果「私たち、ペルシャ湾へ行く予定なんですけど…」
ことり「でも温泉、入りたいなぁ♪」
英玲奈「かなりの長旅になるだろう。休息も必要だぞ」
真姫「そうね。夜中に出発すればいいかしら…」
フミコ(西木野さんも14メートル56を出して、勝負はまさかの引き分け…)
あんじゅ「せめて穂乃果ちゃんの眩しい水着姿を目に焼きつけておかなくちゃ」ジーッ
英玲奈「うむ」ジーッ
穂乃果「あ、あんまり見られると恥ずかしいんですけど…///」
絵里「あたたかい地方の海には危険な生き物もいるって聞いたけど…」パシャ
希「まあ、そのぶん水がきれいやし…浅いところならよく見えるから大丈夫や」
にこ(何食べたらそんなに…ぐぬぬぬぬ)
希「にこっち?…エリちの水着姿に見とれてたん?」
絵里「え!?」
にこ「違うわよ!」プンプン ここあ「なんか、おっきいのいる!これなにー?」
ヒデコ「オオフトトゲヒトデ」
こころ「こっちはカニですね」
ここあ「なんていうカニ?」
ヒデコ「スベスベマンジュウガニ」
ここあ「まんじゅう!?」ワクワク
ヒデコ「毒があるから触っちゃダメだよ」
穂乃果「ヒデコ!釣りはもういいの?」
ヒデコ「あー、うん…今日はダメっぽい」
ことり「お魚、釣れなかったの?」
ヒデコ「釣れたけどね…バラフエダイばっかり」
ミカ「ばらふえ?」
ヒデコ「ほぼ確実にシガテラ毒があるといわれてる魚。地元の人でも食べないっていうヤバいやつだよ。大きくてスポーツフィッシングのターゲットとしては人気だけどね…」
フミコ「ちなみにヒデコは何を狙って…」
ヒデコ「もちろん食べられる魚を釣りに行ったんだよ。GTやカスミアジとか…でも全然」
穂乃果「GTって?ドラゴンボール?」
ヒデコ「ジャイアントトレバリー。ロウニンアジっていう大型のアジ。まあ、これも大きくなりすぎるとシガテラ毒があったりするみたいだけど…」
亜里沙「浪人でござる!?」ワクワク
ここあ「ござる!」キャッキャ
【温泉】
ことほのうみのぞえりにこまきりんぱなゆきありこころあヒフミ生徒会ABCえれあんツバ「ふー」
穂乃果「いよいよ明日は海外だね!」
海未「沖縄方面を通過してからの話ですが…」
真姫「海外といっても、ずっと海上だけど…」
ここあ「かいがいっておいしい?どく、ない?」
こころ「貝ではありませんよ。外国のことです」
ここあ「じょーじあ!とちのしんがいるの♪」
絵里「よく知ってるわね…近いけど違うわ。私たちはイランへ行くの」
ここあ「だるびっしゅ!」
絵里「そうね。…ふふふ」ナデナデ
ここあ「えへー♪」キャッキャ 英玲奈「日本は満喫できたかな?」
希「おかげ様で…それに帰りもあるわけやし」
あんじゅ「海外かー。いつかは私たちも目指すことになるのかしら?」
にこ「一緒に来ればいいじゃない」
ツバサ「旅行じゃなくて、海外進出ってことでしょ?」
花陽(やっぱりA-RISE…?)ドキドキ
【海上】
希(あんじゅ達と別れて、悪石島を出発。船はさらに南西へ向かうよ)
穂乃果「このまま行くと次は…台湾?」
真姫「いや、ルソン海峡方面へ行く予定だからもう少し南ね」
ことり「最初はフィリピンかなぁ?」
フミコ「確かフィリピン領のはずだけど、想定してるルートでは主要な島には行かない予定」
ミカ「へー。じゃあ悪石島みたいな微妙にマイナーな島に行くのかな?」
ヒデコ「何が釣れるかチェックしておかなきゃ!」
真姫「…まあ、南へ行くほどシガテラ毒をもつ魚の割合も増えそうだけど…」
ヒデコ「気をつけないとね…」シクシク
ここあ「しがてらってなに?おかし?」
にこ「カステラとかじゃないわよ。シガテラは魚の毒」
ここあ「たべられないんだ。ざんねん…」
こころ「もう寝ましょう。ここあ」
ここあ「えー」ブー
亜里沙「行こ。ここあちゃん」
ここあ「ありさちゃん、ロシアのおはなしして!」
亜里沙「いいよ♪」
パタン
にこ「ここあはあんたたち姉妹が珍しいみたいね」
絵里「そうなの?…ロシア出身だから?」
にこ「その見た目で中身が日本人だからっていうか…外国人っぽいのに普通に日本語で話せるのが楽しいんじゃない?」
絵里「ふーん…」
凛「そういえば外国へ行くんだよねー?(凛は英語は無理だけど)現地の人と会話できる人いるのー?」
花陽「会話っていうか…」 【翌日・ヤミ島】
穂乃果「悪石島みたいに、お店とか全然なかったりする?」
にこ「コーラとかの自動販売機はあったわよね。悪石島」
真姫「まあ、お店はないわね。人いないし…」
ほのにこりん「えっ」
海未「フィリピン最北端のマヴディス島…別名ヤミ島です。いわゆる無人島ですね」
凛「誰もいないのに何しに来たのー?><」
真姫「必要なものはだいたい船にあるし、島は無人でも困らないかなって…」
ヒデコ「魚も独り占め!」
花陽「毒魚が多いからやめたほうが…」
凛「何もない島じゃ意味ないにゃ。早くペルシャ湾に…」
「待ちなさい!」
りんぱな「えっ」
花陽「お母さん!?」
花陽ママ「うふふ。こんにちはー♪」
凛ママ「凛。みんなに迷惑かけたりしてない?」
凛「し、してないにゃ。どうしてお母さんと師匠がいるのー?」
花陽ママ「もちろん二人きりでハネムーン♪」
凛ママ「じゃなくて。凛がすすんで海外へ来るとは思わなかったわ。英語の勉強も捗りそうね?」
凛「うぐっ…勉強に来たわけじゃないにゃ」ボソ
花陽ママ「勉強しておかないと休み明けのテストが大変なことにならないかしらー?」
凛ママ「そうにゃそうにゃ。中学の頃から英語の成績は散々だったでしょ?」
凛「そ、それは…これから頑張るにゃ」
凛ママ「そ。じゃあ急いで帰って勉強ね?」
凛「旅行が終わってからやるよー」
凛ママ「そう言ってちゃんとやったことがあればもう少し成績も上がったと思うけど?」
希(なんだか雲行きが怪しくなってきたね)
絵里(ある意味、自業自得だけど…) 凛「どうしても帰らないとダメ…?」
凛ママ「凛が嫌ならいいわよ。帰らなくて」
凛「よかったにゃ」ホッ
凛ママ「ただし…凛を海外留学させるわ」
凛「海外…りゅうがく?」
花陽「って、留学!?凛ちゃんが?」
凛ママ「そう。必要に迫られれば覚えるでしょう?より実践的な英語を身につけるために海外で暮らすのよ」
凛「い、嫌だよ。凛は日本が好きだし海外なんて行きたくないにゃ」
花陽(凛ちゃんが海外へ行ったら会えなくなっちゃうし…)
凛ママ「行きたくないなら一緒に帰りましょ?」
凛「旅行が終わったら帰るにゃ」
凛ママ「まったく…しょうがない子ね。わかったわ」
凛「わかってくれて何よりにゃ」
凛ママ「私たちと勝負しなさい!」
凛「えぇ!?」
凛ママ「私たちのどちらかでも凛たちに負けたら海外留学は無しにしてあげる。ただし、どちらかでも勝ったらすぐに連れて帰るからね」
花陽「私たちって、お母さんも…?」
花陽ママ「そう。私たち二人でチームよ♪」
凛「つまり留学も無しで旅行を続けるには二人に勝たないとダメってことー?」
凛ママ「その通り♪」
凛「わかったにゃ。絶対に凛が勝つもん!」
花陽「り、凛ちゃん…」
凛(こんな何もない島だし、走るか泳ぐくらいしかできないはずにゃ。凛がお母さんたちに負けるわけないよ)
花陽「勝負の方法は…?」
凛ママ「英語クイズ!」
凛「えー!?そんなのズルいにゃ!><」
凛ママ「答えられないなら勉強が必要ってことよ。留学が嫌なら…」
凛「わ、わかったにゃ」
亜里沙「どうなるのかな…?」ドキドキ
雪穂「まあ見守るしかないよね…」
凛ママ(ふふふ。簡単な問題でも凛の苦手なジャンルを押さえれば…) 凛ママ「まずは単語よ。barracuda」
凛「オニカマス」
凛ママ「え」
花陽「正解だよね…?」
花陽ママ「正解ね」
凛ママ(魚に興味がない凛がどうして…!?)
凛(ヒデコ先輩が言ってたにゃ)
凛ママ「じゃ、じゃあ次はこれよ。ciguatera」
凛「シガテラ毒をもつ魚を食べたことによる食中毒。魚が食べる餌に含まれる毒素が蓄積したことで発生。有毒の渦鞭毛藻などが原因といわれるにゃ」
真姫(これはスペイン語だったような気もするけど…)
凛ママ(滅多にお魚を食べない凛がどこでそんな知識を!?)
凛(これもヒデコ先輩と西木野さんから聞いたにゃ)
凛ママ「つ、次はちょっと難しいにゃ。dry ice sensation」
凛「ドライアイス・センセーション。主にシガテラ毒が原因の温度感覚異常。冷たいものが熱く、熱いものが冷たく感じたり触れると痛みを伴う症状。普通の水を口に含んだ時に炭酸のようなピリピリ感があったりするにゃ」
凛ママ「な、なんで凛がそんなことを…」
凛(ヒデコ先輩と西木野さんのおかげで覚えたにゃ)
花陽「えーと…凛ちゃんの勝ちでいいんだよね?」
凛ママ「仕方ないわね。少しは勉強してるみたいだし…留学は無しでいいにゃ」
凛「よかったぁ…」
花陽「でも、まだお母さんがいるよ…」
花陽ママ「ふふふ。じゃあ今度は私からのミッションね〜」
凛(師匠はお母さんより手強いからにゃ…)ヒヤアセ
花陽ママ「全員、無事に帰ってくること」
りんぱな「えっ」
花陽ママ「これが私からの宿題です♪」
凛「師匠…ありがとにゃ」
花陽ママ「まだ終わったわけじゃないわよ?ちゃんと達成しなくちゃ」
絵里「責任をもって東京へ送り届けます」
凛ママ「まあ、絢瀬さんたちが一緒なら安心かな…」
花陽(というわけで、旅行も続けていいことになったんだけど…) 英玲奈「では行くか」
凛「早くラーメン食べたいにゃー」
ここあ「ここあ、アイスがいいな♪」
花陽(毎日お魚ばっかりじゃなくてラーメンが食べたいって、結局凛ちゃんはペルシャ湾まで行くのはやめちゃった…)
凛(西木野さんたちと別れて、こころちゃんとここあちゃんと悪石島にいた三人と一緒に東京へ帰ることにしたよ)
花陽「あ、あのー。やっぱりA-RISE…」
ツバサ「私たちは普通の島民よ。東京観光、一度行ってみたかったのよねー♪」
花陽(本当かなぁ…?)
こころ「東京もいいところですよ。海はこんなにキレイじゃないですけど…」
凛「うん、うん。やっぱり東京が一番だよね♪」
花陽(ペルシャ湾は遠いけど、世界の海は繋がってる。いつか、またみんなで旅行できたらいいな♪)
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