板倉吉延2021年11月27日 9時30分

 高校の購買向けに約70年間、パンを販売してきた岐阜市の「武蔵屋パン」が、10月から一般販売を始めた。少子化にコロナ禍での休校などが重なり、売り上げは減少傾向。それを補おうと始めたが、高校時代に購入していた人たちを中心に「懐かしい味」「学生時代を思い出す」などと、思わぬ人気となっている。

 11月の昼下がり。岐阜市祈年町2丁目の同社工場前でパンの販売が始まると、次々と買い物客が訪れた。

 市内の男性(75)は岐阜県立岐山高校で購買パンを利用していたという。「当時はバスケット部員で、昼までに持参した弁当を食べ終え、昼はパンをよく食べた。焼きそばパンやコロッケパンが懐かしい」。県立岐阜商業高校で学んだという女性(60)は「タマゴサンドが好きでした。運動部の友人たちはよく食べていた。みんなこのパンに育ててもらった」と笑った。

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