2019/11/1 7:00
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191101-00000004-ibaraki-l08

東海村立舟石川小学校5年の竹之内春輝君(10)が、村内にある十数万年前の地層から、原生種と見間違うほど保存状態が良い虫の化石を発見した。
コガネムシの仲間「シロテンハナムグリ」。
5月に地層を調べる講座の中で、「化石が太陽の反射でぴかっと光った」とたまたま見つけた。
専門家は「非常に保存状態が良く、『東海村の宝』だ」と高く評価している。

発見した場所は、同村村松の工事現場。
土地区画整理事業で整備中で、5月12日、現地で村主催のイベントがあり、地質を剥ぎ取る体験会が開かれた。
参加した竹之内君が、むき出しになった粘土層の崖を剥がすための薬品が乾くのを待っていた際、近くで化石が埋まった石を見つけた。
竹之内君は「石がぴかっと光り、最初は石にコガネムシが付いていると思った」と振り返る。
イベントで講師を務めた千葉科学大講師の菊池芳文さん(古生物学)が調べると、地層は約12万〜13万年前で、沼や湿地だったと推測される。
石があったのは、地表から深さ1メートル以上の場所。
原生のシロテンハナムグリは土中に潜る習性がないことと、周辺の土にはシロテンハナムグリが動いた形跡がないことの2点から、化石と認定された。
何らかの原因でシロテンハナムグリが落ちて溺死したとみられる。

化石は長さ約2・4センチ、幅約1・3センチ。
黒緑色で光沢を帯び、頭部と胸部、腹部は完全な状態で残っている。
菊池さんは「原生と全く区別が付かないほど保存状態が非常に良く、世界的にみても素晴らしい」と高く評価。
その上で「当時からほとんど形状は変わっていないことが分かった。『東海村の宝』とも言える」と発見の意義を示した。
竹之内君は発見時、石から化石を取り出さずに菊池さんに渡したという。
菊池さんは「石から剥がしたら、化石種か原生種か区別できず、化石と認定できなかった。超ファインプレー」とたたえた。
昆虫や石を収集するのが好きという竹之内君は「家で飾ろうと思ったので、剥がそうとは思わなかった」と明かした。

今後、化石はDNA型分析するなどして原生種と比較する研究が行われる。
化石は2021年に開館する村の複合施設・歴史と未来の交流館(仮称)で公開される。

化石を持つ竹之内春輝君
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シロテンハナムグリの化石
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