配信先、静岡新聞(2017/6/3 11:00)
http://www.at-s.com/news/article/women/report/365914.html

女性のがん死亡原因1位である大腸がんの検診の受診率を巡り、県内市町間で格差が生じている。藤枝市が最高で55%だったのに対し、最低値は熱海市の18%だった。県平均は33%で全国平均(25%)を上回った。
 
2014年度の国のデータを基に県がまとめた。市町の事業対象者における受診者の割合で、企業の検診を受けた人は含まれていない。
 
35市町のうち、50%を超えたのは藤枝市のほか松崎町(53%)。同市は受診者への案内通知に採便棒を同封して医療機関への申し込みの手間を省くなど工夫した上で、市民約千人に保健委員を委嘱し、啓発を図っている。
 
40%台は13市町だった。全国平均を割ったのは函南町(20%)、静岡市(22%)など5市町。熱海市は同年度最も低かったが、検診無料化、受診期間や委託先の医療機関の拡大など利便性を高める施策で、16年度の受診者数は1・6倍になった。
 
食事の欧米化や罹患(りかん)リスクの高い高齢者の人口割合の増加を背景に、大腸がんの罹患率は年々高まっている。女性のがん死亡原因では1位だが、死者数自体は男性の方が多い。比較的進行が遅く、初期の自覚症状も少ないとされる。体調に異変がないうちに、検診で早期発見することが生存率を高める鍵を握っている。