国土交通省は27日、社会資本整備審議会の小委員会を名古屋市の同省中部地方整備局で開き、
早期事業化を目指す伊豆縦貫道の天城湯ケ島―河津間について三つのルート案を示した。
今後、地域住民へのアンケートや地元自治体、団体へのヒアリングなどを行い、次回以降の小委員会で最終案を取りまとめる。

同区間は、沼津市から下田市に至る延長約60キロの伊豆縦貫道のうち、
伊豆市の天城湯ケ島インターチェンジ(IC)と河津町の河津ICを結ぶ天城越えの約15キロ。

案1、2はともに同区間全線で新道路を整備する。
七滝温泉・大滝温泉の源泉地域であることから、案1は源泉地域を西に迂回(うかい)し、案2は東に迂回する。
案3は天城湯ケ島ICから浄蓮の滝付近まで現道の国道414号を改良し、
河津ICまでの区間は案1と同ルートで新道路を整備する。

新たに道路を敷設する案1、2はともに災害時などの緊急輸送ネットワーク構築への寄与が期待される。
案1は、工事に伴う地形の変化は比較的大きい一方、観光施設へのアクセスが良い。
案2はトンネル区間がほとんどで地形変化は小さいが危険物積載車両に通行制限が掛かる。
案3は案1、2よりもコストは低いが、線形不良や幅員不足の多い国道414号の代替性が確保されない恐れがある。

委員からは、通過に要する時間の短縮具合など、案ごとにより定量的なデータを示し、
一般に分かりやすい形で情報提供した上でアンケートを実施すべき−などの意見が出た。

複数案を示した今回の手続きは、ルート概略や基本的な道路構造を検討する「計画段階評価」の一部。
ルートが決定すると、必要に応じて都市計画・環境影響評価などを行い新規事業採択を目指す。

写真:伊豆縦貫道「天城越え」区間
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以下ソース:静岡新聞 2017/3/28 08:40
http://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/343195.html