[東京 28日 ロイター] - 日銀が28日発表した2023年度上半期決算によると、保有国債の評価損(含み損)は9月末時点で10兆5000億円だった。厳格に運用してきた長期金利の指し値水準を見直したことで含み損が大幅に増え、比較可能な1998年以降で最大となった。

今年7月の政策修正で実質的な長期金利の上限を1.0%とし、市中利回りが軒並み上昇したことが響いた。10月の再修正は織り込まれておらず、市場では「今後の金利動向次第で保有国債の含み損はさらに膨らむ可能性がある」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との見方が出ている。

日銀が保有する国債の時価は9月末時点で576兆3780億円だった。日銀によると、買い取り時の簿価は586兆8781億円で、差額を評価損として計上した。

□第139回事業年度(令和5年度)上半期財務諸表等について : 日本銀行 Bank of Japan
https://www.boj.or.jp/about/account/zai2311a.htm

2023年11月28日午後 4:36
ロイター
https://jp.reuters.com/economy/bank-of-japan/LXRLUVNSCBJGTPHMT53O6NCGSY-2023-11-28/