→15日発表の7月の中国経済指標は小幅な増加にとどまる見通し
→一部地域が豪雨や洪水に見舞われたことも先月の建設活動の妨げに

中国の景気回復は不動産不況の悪化に圧迫されており、最新の経済指標では成長回復の兆しがほとんど見られない公算が大きい。

  15日発表の中国の7月の工業生産と小売売上高、1-7月の固定資産投資は小幅な増加にとどまる見通し。不動産投資は引き続き減少した公算が大きい。大手不動産開発業者の債務危機を巡る懸念や住宅販売のさらなる減少によって、同セクターの回復が抑制されている。

  さらに、中国の一部地域が豪雨や洪水に見舞われたことで、先月の建設活動が妨げられた。

  今回弱い指標が示されれば、これまでかなり消極的な対応だった当局に追加的な金融や財政刺激策を求める圧力が高まる公算が大きい。ただ、エコノミストによれば、人民元安と高い債務水準のため、政策当局者はより強力な措置を講じることを控えており、今年の刺激策は過去の景気低迷時の措置を下回る可能性が高い。

  こうした慎重なアプローチを受け、7月にデフレの兆しが示されたにもかかわらず、中国人民銀行(中央銀行)は15日に中期貸出制度(MLF)の1年物金利を据え置くと、ブルームバーグのエコノミスト調査で見込まれている。

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  不動産投資は7月にさらに縮小した可能性が高く、ブルームバーグ調査のエコノミスト予想によると、1-7月は前年同期比8%減になったと見込まれている。1-6月は7.9%減だった。

  1-7月の固定資産投資は同3.7%増と、1-6月とほぼ同ペースの伸びとなったと予想されている。

  7月の工業生産は前年同月比4.3%増と、前月の4.4%増から若干伸びが鈍化したと見込まれている。

  小売売上高は同4%増と、前月の3.1%増を上回る伸びとなる見通しだが、依然として新型コロナウイルス禍前の8%超の増加率を大きく下回るだろう。

原題:China’s Economic Recovery Faces Fresh Risks From Property Crisis(抜粋)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-08-13/china-s-economic-recovery-faces-fresh-risks-from-property-crisis

2023年8月14日 9:15 JST
更新日時 2023年8月14日 10:53 JST
Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-14/RZCPJ3T0G1KW01