米アマゾン・ドット・コムが英国やドイツなど欧州の主要国で会員制サービス「プライム」を値上げすることが25日、明らかになった。2月に米国で約4年ぶりにプライム会費を引き上げたのに続く動きだ。インフレに伴う物流費などの上昇を消費者に転嫁する動きが世界的に広がってきた。

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると英国とドイツ、フランス、スペイン、イタリアが今回のアマゾンプライムの値上げの対象国に含まれる。値上げ率は国によって異なり、年会費の場合で20%から43%の上昇となる。

英国におけるプライムの値上げは2014年以来、約8年ぶり。年会費の場合は20%上昇して95ポンド(約1万5600円)になる。ドイツの年会費は30%高くなって89.90ユーロ(約1万2500円)となる。新料金は9月以降に契約更新したり新規契約したりする際に適用する。

アマゾンは2月、米国におけるプライムの年会費を17%引き上げて139ドル(約1万8900円)にすると発表した。ブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は米国以外でも国・地域ごとに適正な価格を評価し続ける考えを示し、将来の値上げに含みを持たせていた。

アマゾンが05年に始めたプライムは無料配送のネット通販や動画配信などの特典を受けられるサービスで、会員数は21年に世界で2億人を突破した。日本では19年に年会費を1000円引き上げて4900円にしてからは料金を据え置いている。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN264TF0W2A720C2000000/