働くこと自体が好きではなく、かつミニマリストな方なら、このやり方も可能になるでしょう。ただ、人生がやや窮屈になるかもしれません。一言でいえば、労働からの解放と引き換えに、ミニマリストな生活をすることになります。

この公式で必要な金額がわかる
ここで、アーリーリタイアで必要な金額を計算してみました。公式風に書いてみます。

年間支出 ≦ 元手×投資利回り(税引き後)+ 予備資金

投資利回りは、高配当(もしくは連続増配)の日本株と米国株を買うことによりもらえる配当金をアテにすることにします。この投資から想定できる税引き後の年間リターンは現状、3.6%程度が常識的な上限値と考えます。

配当金からは税金を徴収されるので、あくまで「税引き後」で考えることが重要です。

日本株の配当にかかる税金は所得税と、それに付加される復興特別所得税で15.315%、住民税が5%で合計20.315%です。約20%が税金で持っていかれてしまうため、税引き後で3.6%の配当を得るためには、税引き前の配当利回り4.5%前後を目標にすると安心です。

米国株の場合は、米国現地で10%源泉徴収されたうえに、日本国内でも20.315%課税されるので、ざっくり配当利回り5〜6%の高配当株を保有すれば、手取りの配当で3.6%以上を確保できます。

時間をかけて着実に仕込もう
米国株で5〜6%、日本株で4.5%という高利回りかつ株価も安定した銘柄を買うには、時間をかけて着実に仕込んでいかないと難しいです。

投資時はそれほど高利回りでなくとも、保有することで利回りが上がる増配株もいいでしょう。もちろん銘柄を選ぶ練習をしなくてはなりません。でも決して不可能なことではありません(詳細については『今日からFIRE! おけいどん式 40代でも遅くない退職準備&資産形成術』の5章にまとめております)。

配当金は確定申告で総合課税を選択した場合、所得1000万円以下なら「配当控除」を受けることができ、その結果、実質的な利回りが上がります。

米国株のように、米国と日本の2カ国で二重に課税されている場合、海外の課税分を取り戻す「外国税額控除制度」もありますが、ここでは無視して話を進めます。

では、3.6%の投資利回りで、月20万円、年240万円の生活を送るためには投資元本がいくら必要かというと、「240万円÷3.6%」で「約6667万円」になります。

この6667万円に、いざというときの生活防衛のために最低でも300万円を追加しておきます。結果、月20万円の支出でやりくりできる人に必要なアーリーリタイア資金は約7000万円ということになります。

あなたも毎月必要なお金をあてはめて計算してみてください。毎月30万円が必要な人なら「360万円÷3.6%」=1億円+万が一の300万円、月10万円で生活できるなら約3333万円+300万円です。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84074?page=4