先日インテルが第11世代Core i7がアップルのM1チップに優るとするベンチマークを発表していましたが、それに続いて「(インテル製チップ内蔵の)PCはMacに出来ないことができる」と主張する広告キャンペーンが展開されています。

複数がTwitter上で展開されているインテル広告の共通点は、「M1 Macにないもの」を強調していることです。たとえば3日に投稿されたものは、Macにはタブレットモードもタッチスクリーンもない、スタイラスもないことを指摘。それらを1つのデバイスで提供できるのはPCだけだと述べつつ、PCとM1 Macを比較するYouTuber・Jon Rettinger氏の動画へのリンクを張っています。

リンク先の動画ではM1 MacBookに十分な外部ポートがない、ゲームには向いてない、タッチスクリーン画面がないと「Macにないもの」が数え上げられています。が、海外テックメディアBGRからは「それはインテル製チップ搭載MacBookも同じだろう」と指摘されています。

また11日にツイートされた広告は、Macにゲーム資産が乏しいことを示唆したもの。Macではプレイできない『ロケットリーグ』をプレイしたいならPCを選ぼうと言い、その語呂合わせのようにロケットを打ち上げたい科学者にもPCは力を与えるとも述べています。

アップルは2020年6月にMacを独自開発のAppleシリコンに移行すると発表。今後2年かけてインテル製CPUから置き換えていくと表明し、11月には第1弾となるM1チップ搭載の新生MacBook Proを含む3機種を発売しています。予想を上回る高性能や充電なしに2日はもつ省電力性能、さらには従来Macアプリとの優れた互換性が高い評価を勝ちえています。

それだけに今回の比較広告キャンペーンにつき、米MacRumorsほか複数の海外メディアは「インテルがAppleシリコンを脅威に感じていることは明らか」と評しています。上記の第11世代Core i7がM1に優るベンチマークも、有識者から「慎重に細工された」と分析されていました。

今後もアンチMac広告は続く可能性が高いと思われますが、現時点のM1プロセッサはあくまでローエンド端末向けのチップに過ぎず、今後は上位のAppleシリコンMacが現れると予想されています。もしも噂どおり次期MacBook Proでは多くの外部ポートが装備されたとすれば、インテルがどのような比較広告を打つのか興味深いところです。
https://japanese.engadget.com/intel-mac-ads-campaign-045052141.html