【ニューヨーク=中山修志】米フォード・モーターは4日、2025年までに電気自動車(EV)と自動運転技術に290億ドル(約3兆600億円)を投資すると発表した。バイデン米政権の発足による環境規制の強化を見据え、EVシフトを加速する。

フォードのジム・ファーリ最高経営責任者(CEO)は「投資拡大と人員の増強により、フォードがEVと自動運転技術のリーダーシップを担う」と述べた。290億ドルのうち220億ドルをEVに、70億ドルを自動運転に振り向ける。25年までに両分野で計270億ドルを投資する計画を打ち出した米ゼネラル・モーターズ(GM)に対抗する。

フォードは20年12月に全電動のスポーツ車「マスタング・マッハE」を発売。21年にEVの商用バンを発売し、22年にピックアップトラックの看板車種「F-150」にEVモデルを追加する計画だ。米ミズーリ州とミシガン州、メキシコ、カナダの計4工場に専用設備を導入し、EVの生産を手掛ける。

同日発表した20年12月期決算は、最終損益が12億ドルの赤字(前の期は4700万ドルの黒字)だった。通期の最終赤字は12年ぶり。新型コロナウイルスの影響で北米や欧州の販売が低迷した。
2021年2月5日 7:00
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0502W0V00C21A2000000/