楽天は3日、第5世代(5G)移動通信システムの通信ネットワークについて、クラウドを使った「仮想化」と呼ぶ新技術を採用したシステムを2021年にも海外で販売する方針を示した。NECとシステムの中核を担う設備の共同開発を進め、提供先のニーズに沿った機能を提供していきたい考えだ。

 仮想化技術はクラウドを利用することで、通信網に使う基地局や中継局の設備を従来の高価な専用機器ではなく、安価な汎用機器にしても同等の機能を持たせられるのが特徴だ。これにより、初期投資や運用費を3〜4割削減できるという。

 楽天は4月に始めた4Gサービスで世界で初めて仮想化を通信網に全面採用した。5Gでも同様の仕組み採用するが、新型コロナウイルス感染拡大の影響でサービス開始時期は当初予定した6月から3カ月延期している。

 5Gシステムは運用実績が乏しい中での海外販売になりそうだが、楽天モバイルの山田善久社長は「かなりの問い合わせをもらっており、21年のどこかで見込みが立ってくると思う」との見解を述べた。
2020年06月05日 07時00分
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2006/05/news041.html