EU=ヨーロッパ連合は次世代の通信規格、5Gの整備に向けた指針を発表しました。指針ではアメリカが強く求めていた中国の通信機器大手ファーウェイなどの製品の排除には踏み込みませんでした。

EUの執行機関にあたるヨーロッパ委員会は26日、5Gの整備に向けた指針を発表しました。

指針では5Gに関する製品について、ことし6月までに各国に安全保障上のリスクを評価するよう求め、その後、情報を共有するとしています。

指針は、どの国の製品を対象とするか名指しはしていませんが、記者会見を行ったEUのアンシップ副委員長は「中国とファーウェイについてのものだということは誰もが知っている」と述べ、安全保障上の懸念が指摘されている中国の通信機器大手ファーウェイなどを念頭においたものであることを認めました。

ただ指針では、アメリカのトランプ政権がEU側に強く求めていた、中国製品の全面的な排除には踏み込まず、判断を各国に委ねる形となりました。

このため、5Gの整備の問題が今後、アメリカとEUとの間の新たな懸念材料になる可能性が出ています。
2019年3月27日 6時38分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190327/k10011862191000.html