フラップの操作とMCASが関係していると誤認するはずはない
tokyoexpress.info に掲載されているFDRのグラフによれば
離陸後、Flap5 のまま、高度約2,000ft でstick shaker left の作動が
開始している、この段階で異常に気づくはずだ

スラストを絞ったと主張するにはいかにもデータ不足
速度の低下も起きていないのは前レスで指摘されているとおり

迎え角 (Angle Of Attack) センサーは離陸前地上滑走の段階ですでに
右側が約マイナス5度であるのに対し左は約15度になっている
誤指示をしているセンサーのデータであっても優先使用できるシステム

前日のフライトでも異常が起き、パイロットがstab trim cutoff switch を
操作して切り抜けているにもかかわらず、ろくな整備が行われなかった
墜落することになったクルーに、前日のインシデントについて
情報提供されていなかった可能性が高い、Lion Air の責任は重い

The Seattle Times の記事は詳細で興味深い
MCASは当初のスペックでは stabilizer の作動範囲は0.6度で
これは5度の機首下げに相当することになっていた
実際は作動範囲は一回に付き2.5度であり
必ずしも等比的に効くわけではないが、20度前後の機首下げをする能力があった

おまけに一旦作動停止すると可動範囲がリセットされるので
断続的にならstabilizer の可動範囲の限界まで動かすことができる
FDRの記録もほぼ最大nose-up の位置になっている

Boeing の設計ミスは逃れがたいところだ
stabilizer の過大な動きに対してはcutoff switch を使うことを
期待していたようだが、それに必要な情報提供を怠っていた