英国スポーツカーブランドの老舗ロータスに、初のEV開発のうわさがあがっています。しかもそれは、出力が1013bhp(1027ps)、価格約2百万ポンド(約2億8000万円)の"ハイパーカー"と呼ばれる高級スポーツカーになる見込み。

このクラスといえばマクラーレンP1を飛び越え、ブガッティ・シロンやケーニグセグ・アゲーラRSRといったマシンが雅を競う価格帯であり、現ロータス最上位モデルのエヴォーラでも子供用のペダルカーぐらいに思えてしまうかもしれません。
この話題を最初に報じたAutocarの情報からは、この車の詳細はほとんどわかりません。このハイパーEVは独自設計の駆動系を搭載する予定であり、それを搭載する車は「これから10年以内の早い時期」に発売されると伝えられています。

ロータスというスポーツカーメーカーは、もともとライトウェイトスポーツを得意とするメーカーであり、軽量マシンならではのコーナリング特性、低出力でもそれを補って余りある足回りの出来の良さが、走りを純粋に楽しみたいドライバーたちに支持されてきた歴史を持っています。

そのロータスが、重厚長大・高出力なハイパーカーを作ろうなどと本当に考えているのであれば、それは驚きというほかありません。創業者コリン・チャップマンがレースに出たいがために1928年型オーチス7をレース仕様に改造したことが歴史の根っこにあるロータスの作品たちは、ハイテク・ハイパワーを目指しがちなスポーツカーのなかで、常に"ライトウェイト"を武器に勝負をしてきました(ボンドカーにもなったエスプリを除いては)。

1982年のチャップマン死去後、オーナー企業が転々と変わるさなかも、ロータスは軽量化思想に則った製品ラインナップを維持しています。しかし、2017年にロータスを買収した中国・吉利汽車は、ロータスの看板をグループの技術力と高性能さを誇示するために使うことを強く望んでいると言われています。

ロータスもいずれEVをラインナップに加えるであろうことは時代の流れとしても、"ハイパーカー"と呼ばれる車を、あのロータスに望む人々が世界にどれほどいるのかは気になるところです。ロータスをよく知らない世代の目を惹き、そのうえで手の届くスポーツカーとしてエリーゼを売るのには貢献するかもしれません。

ちなみに、テスラは2代目ロードスターにハイパーカー相当の走行性能を与えつつ、25万ドル(約2800万円)という価格で発売する予定です。思えば、初代テスラ・ロードスターのプロトタイプはロータス・エリーゼをベースとしていました。

12月11日14時30分
Engadget 日本版
https://japanese.engadget.com/2018/12/11/ev-1000-2-8000/